研究課題/領域番号 |
21K19504
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
矢部 大介 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60378643)
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研究分担者 |
劉 彦言 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (10845796)
飯塚 勝美 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40431712)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 膵β細胞量 / 糖尿病 / 低分子化合物 / スクリーニング / βFucciマウス / MIP-Cre; Fucci2aRマウス / インスリン分泌能 |
研究開始時の研究の概要 |
血糖値を緻密に制御するインスリンをつくる膵β細胞の減少は糖尿病の発症や重症化を阻止するうえで克服すべき重要な課題です。糖尿病患者では、膵β細胞の量が減少することが示されているため、生体内で膵β細胞の量を増やす技術が待ち望まれています。しかし、膵β細胞の量を制御するメカニズムの全容は依然不明であり、膵β細胞量を標的にした糖尿病の予防や治療の方法も一切存在しません。今回、最近開発した膵β細胞増殖をリアルタイムに観察可能なマウスを用いて、膵β細胞増殖を促す低分子化合物スクリーニングを可能にするアッセイ系を樹立し、膵β細胞増殖薬の創薬標的の同定を目指します。
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研究成果の概要 |
本研究では、膵β増殖をリアルタイムに観察可能なβFucciマウスを樹立し、その単離膵島細胞を3次元培養もしくは2次元で最長1週間の間、ex vivoで培養することに成功した。特に2次元培養においては、種々のプレートを検討するなかで、日本ジェネティクス社製マイクロSlide I Luerを用いることで安定して培養が可能かつ、11.1 mM グルコースを含むRPMIに膵ベータ細胞増殖作用が知られるDYRK阻害薬のひとつHarmineを添加することで、ex vivoにおいてもβFucciマウス由来膵ベータ細胞が増殖することを確認し、樹立したアッセイ系を用いて低分子化合物をスクリーニングしている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵β細胞からのインスリン分泌の障害は糖尿病の発症や重症化を阻止するうえで克服すべき重要な課題である。インスリン分泌量は、個々の膵β細胞がインスリンを分泌する能力(膵β細胞機能)と膵β細胞の絶対量(膵β細胞量)の2つの因子により規定され前者に対しては、インクレチン薬やSU薬、グリニド薬が臨床の場で幅広く使用される。一方、後者に対しては、膵β細胞量調節の分子基盤の全容は依然不明であり、膵β細胞量を標的にした糖尿病の予防や治療の方法も一切存在しない。本研究で確立しえたスクリーニング系は、今後、膵β細胞量を標的とした予防や治療に資するシーズ探索に極めて有用なツールといえる。
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