研究課題/領域番号 |
21K19517
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
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研究分担者 |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 准教授 (00423765)
渡部 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50432357)
木下 賢吾 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (60332293)
鈴木 隆史 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70508308)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 局所麻酔薬 / ナトリウムチャネル / 構造生物学 / 分子動力学シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
良質の局所浸潤麻酔や神経ブロックは患者だけではなく,外科医療からの早期回復に必須である.しかし,局所麻酔薬は鎮痛作用以外にも,痺れ,感覚低下,さらに運動麻痺を伴うため,リハビリテーションの妨げや患者の医療に対する満足度を下げてしまう.さらにけいれんや循環虚脱を特徴とする局所麻酔薬中毒は重篤な合併症である.本研究の目的は9つのNavチャネルのクライオ電子顕微鏡を用いた構造情報と,計算科学を基盤とした分子動力学シミュレーションで,Nav1.7,Nav1.8,Nav1.9の3つのチャネルだけに選択的に結合する分子を探索することで,新しい局所麻酔薬の創薬に繋げることである.
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研究成果の概要 |
けいれんや循環虚脱を特徴とする局所麻酔薬中毒は局所麻酔薬の重篤な合併症である.現在臨床で使用されている局所麻酔薬はすべてのNaチャネルを無差別に遮断するため,中枢神経や心臓で副作用を惹起する.一方,電位依存性Naチャネルのうち,末梢神経に局在し,疼痛伝達に関与するのはNav1.7,Nav1.8,Nav1.9の3種であることが判っている.本研究の目的はクライオ電子顕微鏡用いてこの3つのチャネルだけに選択的に結合する分子を探索することであった.われわれは先天性無痛症患者のゲノム解析から,Nav1.8チャネルに注目することにした.しかし,研究は思うように進まず,当初の目標を断念せざるを得なかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
良質の局所浸潤麻酔や神経ブロックは患者だけではなく,外科医療からの早期回復に必須である.近年は超音波ガイドによる神経ブロックの技術向上とPatient Controlled Analgesiaなどによる局所麻酔薬の投与方法の工夫で,区域麻酔は確実性と安全性は飛躍的に向上した.しかし,局所麻酔薬は痺れ,感覚低下,さらに運動麻痺を伴うため,リハビリテーションの妨げや患者の医療に対する満足度を下げてしまう.さらにけいれんや循環虚脱を特徴とする局所麻酔薬中毒は重篤な合併症である.本研究ではこのような合併症とは無縁な局所麻酔薬分子を探索・創薬する予定であったが,期待した結果は得られなかった.
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