研究課題/領域番号 |
21K19521
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
馬場 洋 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | spinal cord / Ca imaging / spinal anesthesia / patch clamp / methadone |
研究開始時の研究の概要 |
現在、脊髄くも膜下麻酔には局所麻酔薬が用いられているが、血圧低下が起こりやすい、作用時間が短い、手術後の運動障害が残るなどの欠点も多い。申請者は局所麻酔薬の代わりにメサドンというオピオイドを用いると上記の欠点を起こすことなく感覚のみを遮断できる可能性があることを発見した。本研究はラットの脊髄スライスからのCaイメージング法やパッチクランプ法を用いて、このメサドンの作用機序を詳細に解析し、メサドンを用いた脊髄くも膜下麻酔が可能であるか検討する。また、メサドンの構造のうち、どの部分がこの作用の主体となっているか解析し、さらに選択的に作用する薬剤を開発する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、後根付き脊髄スライス標本において後根刺激による脊髄後角細胞の興奮が高濃度のメサドンによって完全に消失することを再確認し、さらにオピオイド受容体拮抗薬のナロキソンの存在下でも局所麻酔薬様のブロック作用があることを確認した。従って、この作用はオピオイド受容体を介するものではないことが明らかになった。ナロキソン存在下での濃度と抑制率を調べ、用量反応曲線を作成した。また、このメサドンの抑制機序として、後根内の神経線維の活動電位伝導遮断が想定されるため、令和4年度は後根からの複合性活動電位(compound action potential:CAP)の記録も行い、後根の電気刺激で誘発されるCAPがメサドンで抑制されるかどうか調べた。その結果、非常に高濃度のメサドン(3mMol以上)はA-alpha/beta、A-delta、C-fiberを介する複合性活動電位(CAP)を若干抑制するが、少なくとも300microMolまでの濃度では後根内の神経の可動動電位の伝導には影響しないことがわかった。 次に、電気生理学的手法(ホールセルパッチクランプ)により、一次求心性線維終末の伝達物質(おそらくグルタミン酸)放出を抑制するかどうか調べる実験に着手した。後根刺激で脊髄後角細胞に誘発される興奮性シナプス後電流はナロキソンの存在下でも抑制されることが確認されたが、まだ実験数としては不十分であり、データを増やしているところである。放出抑制の機序としては、一次求心性線維終末に存在する電位依存性Caチャネルであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者である自分に手術(眼科)が必要となり、半年以上、顕微鏡を見ることができず実験を中断せざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
電気生理学的な実験を継続し、後根刺激で誘発される興奮性シナプス後電流に関するデータ数を増やす。また、一次求心性線維終末に作用し、電位依存性Caチャネルを開口させるカプサイシンの作用をメサドンがブロックするかどうか確認し、Caチャネルに他する作用が作用機序なのかどうかを調べる予定である。
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