研究課題/領域番号 |
21K19524
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高島 誠司 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40396891)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 遺伝的要因 / 環境要因 / ヒト疾患モデル動物 / 男性不妊 / 多因子性疾患 / 感受性遺伝子 / ストレス / モデルマウス / 構成生物学的手法 / ヒト非閉塞性乏精子症・無精子症 / 構成生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はNOAを、単一の原因で発症するものではなく、複数の要因が相互作用することで発症する『多因子性疾患』であると考えた。ここでいう複数の要因とは、『体質(感受性遺伝子)』『ストレス(環境要因)』である。本研究では、申請者が独自に特定した感受性遺伝子群と環境要因の組み合わせを最適化することで、NOA病態を再現するヒト疾患モデルマウスを開発する。そして作出したモデルマウスにおけるNOAの病態進行を未病・発症・亢進・遷延に区分けして解析し、各段階で見られる現象とその分子機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
非閉塞性乏精子症・無精子症(Non-obstructive oligo/azo-ospermia: NOA)は原因不明男性不妊の大半を占めるものの、病態メカニズムが未解明のため、診断・治療・予防法を開発することはできない。NOAは症状や重篤度が多様であることから、病因が単一である可能性は低く、実際、病原体や責任遺伝子は、現在に至るまで単離されていない。このことから申請者は『NOAは感受性遺伝子とストレスの相互作用が生み出す多因子性疾患である』という仮説を立てた。 そこでこの研究では、NOA感受性遺伝子として、ヒトNOA患者精巣で活性亢進しているIL1に着目した。そして、ヒト不妊患者精巣の病態を模倣すべく、活性調節因子IL1RAおよびIL1R2を欠損したマウス『ΔRAΔR2マウス』を作出したところ、8割の個体が妊孕性の低下を示すとともに、一部の個体がストレスの負荷なしにヒトNOAに類似の病態を示した。このことは、IL1が男性不妊の病態に関与しうることを示す。 そこでまず、IL1分子実体IL1A, IL1B, および下流分子TNF, IL6, IL17Aのうちどの分子がΔRAΔR2マウスの妊孕性低下に関与するかを、三重遺伝子欠損マウスの作出により解析した。結果、IL17AあるいはTNFを欠損させたΔRAΔR2マウスは妊孕性が有意に改善することを突き止めた。また、B6純系を背景としたΔRAΔR2マウスと比較し、B6D2F2を背景とした雑種のΔRAΔR2マウスもまた妊孕性改善を見せた。 一方、男性不妊の環境要因を探索したところ、テレビン油皮下接種による一過性発熱が妊孕性低下を誘導しうることを突き止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝的要因と環境要因の相互作用により誘導するモデルマウスの作製条件の検討、およびその解析が実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究の遅延により実施できていない『遺伝的要因と環境要因の相互作用により誘導するモデルマウスの作製条件の検討、およびその解析』を実施する。
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