研究課題/領域番号 |
21K19531
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
|
研究分担者 |
甲斐 昌也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10755242)
小薗 真吾 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40706850)
久保 真 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60403961)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 治療抵抗性 / 腫瘍免疫微小環境 / 膵癌 / scRNAseq / オルガノイド / scRNA-seq / シングルセル解析 / 腫瘍内不均一性 / 癌免疫微小環境 / 腫瘍微小環境 / ALIオルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は治療抵抗性を示す極めて予後不良な癌である。抵抗性獲得に腫瘍免疫の関与が示唆されており、慢性的な抗原曝露を介して免疫細胞のexhaustionやdysfunctionが治療耐性獲得につながっている可能性がある。本研究では、術前治療を施した膵癌シングルセル発現解析データを基に、治療反応性に関わる癌免疫微小環境因子を同定し、抗癌剤治療を施行した自然発癌マウス由来膵癌組織から免疫系を構築したALIオルガノイドモデルを樹立する。これらを用いて腫瘍免疫を含めた治療応答機序および抵抗性獲得に関わる機能的な細胞集団や微小環境変化を新たに同定し、それらの制御を可能とする新規標的治療の開発を目的とする。
|
研究成果の概要 |
消化器癌における術前治療に伴う腫瘍免疫微小環境の変化を評価するために、すでに取得していた消化器癌scRNAseqデータの中で術前療法を施行した食道癌dataを用いてpreliminaryな評価を行い、術前治療群での形質細胞の増加、抗体産生能の上昇、CD8陽性Tリンパ球の疲弊化の低下を認めた。現在術前化学療法を実施した膵癌のpublic公開データを入手しており、食道癌データで得られた知見に注目しながら解析を進めている。 一方で、ヒト膵癌細胞株・樹状細胞・癌線維芽細胞などを用いた3次元ALIオルガノイドモデルを樹立し、膵癌微小環境を再現、治療による免疫学的変動を検討している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は早期発見が困難であり、様々な治療に対し抵抗性を示す最も予後不良な癌腫である。これまでの膵癌の研究の多くは治療耐性株などの癌細胞のみを対象にしたものが多かったが、本研究はヒト切除サンプルを用いて癌細胞のみならず、免疫細胞などを対象にシングルセル解析を行うことで、単一細胞レベルでの術前治療に伴う様々な免疫細胞の機能的不均一性の変動解析を行うことができた。さらにALIオルガノイドモデルという腫瘍免疫微小環境を3次元的に再現した新たなモデルの樹立に成功した。今後このモデルを用いた治療実験などを行うことにより、化学療法の感受性や耐性獲得などの治療抵抗性に関する詳細な理解が期待される。
|