研究課題/領域番号 |
21K19553
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池淵 祐樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20645725)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 骨代謝 / 細胞老化 / 細胞外膜小胞 / 酸化ストレス / 骨細胞 / 骨リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
骨リモデリングの起点となる破骨細胞の分化・成熟において、骨吸収部位がどの様に決定され、またその局所への破骨前駆細胞の誘引、さらにRANKLを含めた破骨細胞分化シグナルの送達がどの様に行われるのかは、未だに明らかになっていない。本研究では、細胞老化を生じた骨細胞が、リモデリングが必要となる骨組織の部位・タイミングを知らせるタイマーの様に機能し、細胞外膜小胞などの分泌を通じて骨リモデリングを制御する中心的な役割を担っているとの仮説を検証する。本研究の完成は、細胞老化が生理的な組織恒常性維持においても重要な役割を果たすことを示すことにも繋がり、細胞老化研究としても重要な成果が得られると考えている。
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研究成果の概要 |
酸化ストレスの蓄積が骨細胞の細胞老化の促進に関わっている可能性を検証するため、骨細胞選択的なSostプロモーター下流でSOD1を発現させたTgマウスを作出した。また、骨細胞選択的に老化細胞の除去を試みたマウスでは、若齢において種々の骨代謝パラメーターには変動が認められず、成体や老齢マウス等での解析を計画している。 マウス骨細胞様IDG-SW3、MLO-Y4細胞を用いた解析から、高濃度の酸素濃度での培養やH2O2の負荷によって酸化ストレスをかけることで、細胞老化を示唆する複数のマーカーの変動が確認された。この培養上清中にはRANKLを含む膜小胞が分泌され、破骨細胞分化支持能を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨代謝回転の起点となる破骨細胞形成が、時間的・空間的にどの様に制御されているのかは未解明な点が多い。本研究から、酸化ストレスによる骨細胞の細胞老化誘導が、SASP因子の一つとしてRANKLを搭載した細胞外膜小胞を分泌し、これが破骨細胞の形成を制御している可能性が示唆された。搭載分子等のより詳細な解析に基づき、将来的に、それらを標的とした抗体分子の投与によって骨代謝回転の制御が可能になることを期待している。一連の解析により、骨リモデリングの起点となる破骨細胞形成が時間的、また空間的にどのような制御を受けているのかに関して、重要な知見を得ることが可能と考えている。
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