研究課題/領域番号 |
21K19568
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
赤松 秀輔 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20767248)
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研究分担者 |
佐野 剛視 京都大学, 医学研究科, 助教 (60866309)
後藤 崇之 京都大学, 医学研究科, 講師 (90806605)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 神経内分泌前立腺癌 / 可塑性 / 神経内分泌化 / 固形癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では独自に樹立した新規神経内分泌前立腺癌(NEPC)細胞株KUCaP13を用いて、NEPCにアンドロゲン受容体(AR)を再発現させる化合物をスクリーニングする。可塑性を制御して、ARを発現しないNEPCから発現する前立腺癌に細胞系統を戻し、新規AR経路阻害剤(ARPI)の感受性再獲得を目指す。本研究の成果はNEPCの治療開発に留まらず、可塑性のメカニズム解明や他癌種の新規治療開発につながると期待され、癌腫の垣根を超えた革新的な研究となる。
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研究実績の概要 |
新規神経内分泌前立腺癌(NEPC)細胞株KUCaP13にAREluc(androgen response element luciferase)を導入したKUCaP13_ARElucとさらにARを強制発現させたKUCaP13_AREluc_ARを用いて96well plateでluciferase assayを行ったところ、KUCaP13_AREluc_ARでアンドロゲンを加えた細胞のみ発光を認めた。このことから、KUCaP13においてARElucによりAR活性を評価できることを確認した。続いて本学の「創薬拠点コアラボ」が保持する約1600種類の薬剤を用いてdrug screeningを行った。陰性コントロールの発光度を基準にcut offを定め、30種類の化合物をヒット化合物として同定した。 今後は2nd screeningとして、偽陽性の除外と妥当性の検証を行う。具体的には先のヒット化合物を濃度をふった上でluciferase assayを行い、アンドロゲンを加えない陰性コントロールも作成し検証する。偽陽性でなかった化合物についてはqPCRやwestern blottingにおいてARやその下流であるKLK3などの発現に変化がないか検証する。候補化合物が複数の場合はそれらの組み合わせについても評価する。また、各化合物が既存のNEPC細胞株NCI-H660でも効果を示すか確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば2nd screeningを終了し候補化合物を同定することを予定したが、2nd screeningが終了しておらず予定の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
①候補薬剤とARPIの併用投与 上記で検証された化合物をエンザルタミドと併用してKUCaP13の細胞株とPDXに投与し、細胞増殖が抑制されるか評価する。具体的には①コントロール群、② 候補化合物単剤投与群、③エンザルタミド単剤投与群、④候補化合物+エンザルタミド併用投与群 の4群で投薬を行い、各群間の抗腫瘍効果を評価する。効果が見られた場合、申請者が留学していたバンクーバー前立腺センターが保有する数系統のNEPCのPDXでも効果を検証する。 ②作用機序の解明 AR再発現の機序の解明のため、候補化合物投与前後のKUCaP13の細胞株・PDXを用いてRNAシーケンス、ATACシーケンス解析を行い、候補化合物の投与でどのような遺伝子発現変化やエピゲノムの変化が生じたか検討する。
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