研究課題/領域番号 |
21K19582
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2023) 長浜バイオ大学 (2021) |
研究代表者 |
阪上 起世 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (10804924)
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研究分担者 |
宮地 均 京都大学, 医生物学研究所, 技術職員 (90599200)
佐野 裕美 藤田医科大学, 精神・神経病態解明センター, 准教授 (00363755)
小林 憲太 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (70315662)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Gt(ROSA)26Sor / Cre / FLPo / Rosa26ノックインマウス / AKT / 神経変性疾患 / 網膜 / ALS |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患は、中枢あるいは末梢神経において、神経細胞が傷害を受け脱落死することにより進行する。しかしながら、発症メカニズムの理解にもとづく根治療法は確立されていない。AKTはPI3Kシグナル下流において、がんの進行や代謝を制御するセリン/スレオニンカイネースで、活性型AKTは神経切断において神経保護機能をもつことが報告されている。本研究の主題として、FLPeとCreによりAKTを発現誘導できるGt(ROSA)26Sor遺伝子座ノックインマウスを開発する。ついで、疾患モデルマウスにおいて細胞種特異的にAKTを発現誘導し、発症時期あるいは進行に対する効果を検討する研究である。
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研究実績の概要 |
CreとFLPoにより制御されるR26ノックインマウスは、申請時の2系統(野生型AKT1と活性型AKT1)と不活性型AKT1を含んだ3系統の作製を、CRISPR/Cas9により試みた。得られた3系統のそれぞれのファウンダー候補マウスをC57BL/6Jマウスと交配して系統化を試みた。しかし、不活性型AKT1については相同組み換え部位で5' 3'側ともに組換えが確認できる系統が得られず、また発現誘導が確認できなかったため樹立を断念した。野生型AKT1発現マウスと活性型AKT1発現マウスははそれぞれ50匹以上のファウンダーマウスよりそれぞれ1系統だけを選別・樹立することができた。系統化できたものについてAAV-DJ-CAG-CreベクターとAAV-DJ-CAG-FLPoベクターを眼球内と線条体に注入した。その後、抗HA抗体を用いたウエスタンブロットと免疫組織化学染色を行い、AKTの発現誘導を確認できた。 それぞれの系統について受精卵凍結により系統保存し、論文化の後、バイオリソースとして公開予定にしている。令和5年度に所属機関が変わり、神経変性疾患モデルマウスとの交配ができていない。現在、明順応および暗順応させたマウス網膜におけるリン酸化型Aktの詳細な発現解析を行っている。今後、視神経挫滅モデルマウスを作製し、神経変性疾患モデルマウスとの交配を行う予定にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度に所属機関が変わり、視神経挫滅手技の習得に着手しているが、神経変性疾患モデルマウスと交配した解析はできていない。Aktの発現パターンを詳細に解析しているが、本来の研究計画に示した変性疾患モデルマウスを用いた解析ができていないため、遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
視神経挫滅前後、および明/暗順応下等でのAktの発現パターンを解析し、どの細胞でシグナルが活性化しているかを明らかにする。そのことで、変性疾患の発症における手がかりを掴みたいと考えている。
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