研究課題
挑戦的研究(萌芽)
皮膚などの一般的な上皮組織では、上皮と間葉を隔てる基底膜側に基底側が形成されることから、基底膜が基底側を決定している可能性が考えられるが、歯原性上皮細胞においては、基底膜消失後、頂端側が基底膜側に形成されるという逆転現象が認められる。この結果は、基底膜が消えるという刺激が頂底極性決定に寄与している可能性を示す。本研究では、歯をモデルとした頂底極性決定機構の解析を通して、上皮細胞の極性化機構の解明および極性化因子の同定を図る。
歯は上皮-間葉相互作用により形成される器官として知られており、歯の表面を覆うエナメル質は我々の体の中で最も硬い硬組織である。エナメル質は、エナメル芽細胞と呼ばれる上皮細胞がエナメルマトリックスを分泌し、エナメルマトリックスが高度に石灰化されることで形成される。エナメル芽細胞はその分化過程においてエナメルマトリックスを一方向へ分泌するために高度に極性化されていると考えられるが、その分子メカニズムは不明である。本研究により、細胞接着に関わるPKP1が細胞極性マーカーであるZO-1の細胞内局在を制御することで、エナメル芽細胞の極性化に重要な役割を果たしている可能性が示された。
エナメル質の再生は未だ成し遂げられておらず、現在の歯科治療は欠損したエナメル質を人工物へと置き換えることで行われている。エナメル質再生のためには、細胞の3次元的配置をコントロールする技術が必要と考えられる。本研究によりエナメル芽細胞の極性化機構の一端を解明できたことにより、将来のエナメル質再生技術の一助となる可能性が考えられる。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件)
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