研究課題/領域番号 |
21K19616
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
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研究分担者 |
新井 嘉則 日本大学, 歯学部, 教授 (20212607)
尾崎 弘展 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30747697)
大橋 一徳 日本大学, 歯学部, 助教 (90617458)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 島皮質 / カルシウムイメージング / 逃避行動 / カルシウムイメージング法 / in vivoイメージング / 二光子レーザー顕微鏡 / 痛覚 / 侵害刺激 / GCamp6s / ニューロン活動 / 大脳皮質 / 覚醒 / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性疼痛を寛解させる新たな治療法の開発には,痛みの情報処理に関わる受容体や神経回路の詳細なメカニズム解明が不可欠である。慢性疼痛の一原因と考えられる島皮質における神経回路の組換えを包括的に理解するために,本研究は,深さ方向を含めた三次元空間におけるニューロン活動を高速度・高解像度で記録できるイメージング法を開発する。さらに,痛みは情動によって大きく影響されることを念頭に置き,覚醒下で逃避行動に関わる島皮質局所神経回路の動作メカニズム(活性化されるニューロンの空間分布及び活性相関)を解明し,麻酔下での神経活動との違いを明らかにする。
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研究成果の概要 |
GCamp6sを発現したトランスジェニックマウスに対して,脳深部計測用プリズムを頭蓋骨外側から埋入する手技を開発し,二光子レーザー顕微鏡を用いることで,島皮質ニューロンの蛍光強度を慢性的に観察することが可能となった。その結果,上下顎の歯根膜刺激に対する島皮質ニューロンの応答は,微視的(ニューロン単位)では区別できるものの,巨視的(mm単位)では区別できないことが明らかになった。一方,左右の刺激については,巨視的に区別できることが明らかになった。並行して,覚醒動物への侵害刺激に対する逃避行動の記録装置の作製に取り組み,赤色レーザー光照射による侵害刺激時の運動量を定量化することが可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
島皮質は,口腔顔面領域の様々な感覚情報が収束する領野であるが,側頭葉の腹側に存在するため,頭頂からのアプローチが難しく,局所神経回路を含む情報処理機構の解明が他の感覚野と比較して遅れていた。本研究課題による成果は,特にin vivoにおける島皮質ニューロンの挙動を明らかにする上で重要なツールになることから,今後の歯学研究発展に大いに寄与するものである。また,島皮質と扁桃体や視床下部との相互連絡が密であり,情動系の情報処理に島皮質が深く関わっていることを考えると,口腔顔面感覚に起因する情動のメカニズムを解明することにも貢献する成果であると考えられる。
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