研究課題/領域番号 |
21K19621
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
佐々木 誠 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404119)
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研究分担者 |
玉田 泰嗣 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50633145)
土井 めぐみ 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (50899044)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 嚥下障害 / 不顕性誤嚥 / マルチモーダル生体信号計測 / AI / 機械学習 / 摂食嚥下 |
研究開始時の研究の概要 |
不顕性誤嚥は,ムセや自覚症状がなく,静かに肺炎を発症・進行させるため,医療従事者や介護者であってもその兆候や変化を捉えることは難しく,嗄声や発熱等を認めた時点で既に重症化している場合が多い.そこで本研究では,睡眠時生体信号から不顕性誤嚥群を検出しうる,新しいAI手法の開発を目的とする.さらに,AIの判断基準を見える化し,臨床的考察を加えることで,そのメカニズム解明に挑戦する.
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研究成果の概要 |
本研究では,睡眠時マルチモーダル生体信号と覚醒時基礎データからの不顕性誤嚥患者の検出可能性について検討した.AIを用いた覚醒時のデータ解析では,前頸部表面筋電位信号から,随意運動や嚥下反射における嚥下諸器官の運動を分類できることを明らかにした.また,PVDFセンサを用いて検出した嚥下前後における呼吸パターンの変化から,誤嚥リスクを評価できる可能性を見出した.睡眠時のデータ解析では,不顕性誤嚥患者と健常者のマルチモーダル生体信号を計測し,唾液嚥下やその前後の呼吸変化の自動検出を行った.そして,深層学習による不顕性誤嚥群の分類可能性を検討することで,新たな見守り技術に対する基礎的な知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不顕性誤嚥は,ムセや自覚症状がなく,静かに肺炎を発症・進行させるため,医療従事者や介護者であってもその兆候や変化を捉えることは難しい.本研究では,睡眠時マルチモーダル生体信号と覚醒時基礎データからの不顕性誤嚥患者の検出可能性について基礎的検討を行ったが,患者に共通する生体信号の特徴とその検出法をより詳細に解明できれば,不顕性誤嚥を理解,克服するうえでの新たな展開が期待できる.例えば,不顕性誤嚥の検出法や,誤嚥性肺炎発症の予測システムなどが考えられ,これらの実現に向けた第一歩として,本成果の学術的,社会的意義が認められる.
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