研究課題/領域番号 |
21K19626
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 雄一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00251059)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ブラッドローテーション / 輸血用血液製剤 / blood rotation / 輸血医療 / 持続的 / 有効利用 |
研究開始時の研究の概要 |
輸血用血液製剤は一度納品された後は、使用予定が無くなったとしても日本赤十字社へ返却することは認められていない。そのためやむなく廃棄に至る血液製剤も存在する。また、医療施設は限定した在庫で対応するために急に発生した大量出血への輸血初動が遅れることがある。複数医療機関において血液製剤を相互利用しあうブラッドローテーションを行うことは献血者の善意を無駄にしないためにも有用な仕組みである。本研究はブラッドローテーションが実現可能か、シュミレーションを行い、検証を行うとともに血液製剤の性能が保持されたまま施設間を移動できるかを検討する。
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研究実績の概要 |
研究者は、pre-studyとして、茨城県内産婦人科1施設(分娩対応施設:以下産婦人科病院)と筑波大学附属病院との間において、産婦人科病院において使用する見込みが無くなった赤血球液を筑波大学附属病院で受け入れ、使用するブラッドローテーションを実施した。この際の血液の品質保証はバッテリー搭載可搬型血液保冷庫を使い、扉開閉のログと温度記録を確認して行った。搬送は茨城県赤十字血液センターの協力で行われ、毎回の手続き時間・搬送距離が記録された。 結果:7週間で7回14単位の赤血球液が産婦人科施設で準備され、準備された血液は産科施設で使われる事なく全て検品を経て二次納品がなされた(一次納品利用率=0%)。二次納品利用率は、100%で廃棄率は0%であった。茨城県血液センターの負荷としては、回送運搬費用・人件費などで通常納品より8592円/1回の費用がよけいに発生した。この間の筑波大学附属病院における廃棄血は、AB型赤血球で発生したが、二次納品血の同型血では発生しなかった。 これを受けて、県内500床以上病院と産婦人科複数個所を結び更にブラッドローテーションの実現可能性を検証しようとしたが、新型コロナウイルス感染の急速な蔓延により各施設の輸血を担う検査部門の実働人員不足が発生したこと、研究実施のための会合が当所オンラインで行うことが困難であったことから実現が困難となっていった。一方で血液製剤の過酷試験を行いブラッドローテーションを許容できる条件を確認しようとしたが、血小板製剤について献血血由来の提供が不可能となったこと、更に赤血球液についても供給の予定が見通せず実現困難になった。研究者の組織内配属が変更になり、エフォート率が低下したため研究が遂行しがたくなった。
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