研究課題/領域番号 |
21K19630
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
|
研究分担者 |
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
神津 三佳 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師長 (70400843)
土屋 雅子 武蔵野大学, 看護学研究所, 客員研究員 (30756416)
関谷 昇 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (00323387)
竹内 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80326842)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | シティズンサイエンス / 死生観 / 看取り体験 / 看護 / 学際研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、市民の“生や死を意識した対話”のレディネス(心構えや姿勢)の基盤づくりを目指し、①日本人の死に向き合うニーズと死生観の特徴、②市民の看取り体験から学ぶべき構成要素、③死生観の涵養に向けた「よりよく生きることを考える」方略を、市民(遺族、成人壮年期・高齢者)と学際研究チーム(看護学、医学、心理学、社会学)が学術的に共同するシティズンサイエンス の視点から探索し、最終的に市民が展開できる「よりよく生きることを考える」プログラムを、市民と共に開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、市民がよりよく生きることを考える終生期対話の基盤づくりを目指し、①日本人の死に向き合うニーズと死生観の特徴、②市民の看取り体験から学ぶ要素、③死生観の涵養に向けた具体的な方略を、遺族や成人壮年期・高齢者を含む市民と、看護学・医学・心理学・社会学に関わる学際研究者が学術的に共同するCitizen Science (以下、シティズンサイエンス)の視点から探索し、最終的に市民が展開する「よりよく生きることを考える」プログラムを開発することである。プログラムは、遺族が他者に語り伝えたい体験を話し、聴き手は終生期を考える上での学びを肯定的にフィードバックすることで、双方が今後をよりよく生きることを考えられるような市民展開型のプログラム形成を目指す。 2023年度は、前年度に引き続き、学際研究者6名(看護学、医学、心理学、社会・政治学)と研究協力者(市民)により、看取り体験、死に向き合うニーズ、死生観の特徴から「よりよく生きることを考える」方略を引き続き検討してきた。第一段階の調査として成人期以降の遺族へのインタビュー調査はCOVID-19感染状況から対面調査が難しい状況にあり、代替方法として、研究デザインの検討も行った。オンライン調査では看取り体験の苦しさや哀しみが表出された際の倫理的配慮への対応が難しいと考えられ、対面調査を実施する準備を整える期間となった。具体的な準備項目は、①半構造的インタビューガイド(案)の作成、②市民・遺族の選定基準の明確化、③Citizen Scienceの視点から開発するプログラム評価指標等と設定し、討議を重ねた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染状況により対面での調査が難しいことから、研究遂行が可能な国内外の文献検討を深めた。第一には、インタビュー調査の対象となる遺族会や成人期以降の遺族への半構造的インタビューガイド(案)と市民、遺族の選定基準の明確化を検討した。インタビューガイドについては、調査内容①日本人の死に向き合うニーズと死生観の特徴、②市民の看取り体験から学ぶ要素に基づき検討した結果、ガイドの大項目としては、自身や家族・身近な人のよりよく生きることを考える上で知りたい/知りたくないこと、家族・身近な人との終生期に関する対話体験や準備状況、その背景と理由、望ましいプログラムの場や形態のニーズ、看取り体験の有無等と設定した。また、本研究の最終目標となるCitizen Scienceの視点から考案する市民が展開する「よりよく生きることを考える」プログラムの類似概念となるPatient and Public Involvementに関する文献から、プログラムの必須要素と成果指標を検討した。遺族が他者に語り伝えたい体験を話し、聴き手が終生期を考える循環となるための必須要素としては、Motivation、Perspective, Commitmentの三要素を意識する必要があり、プログラム成果指標には参画者のリクルートメント方法、参画者の参画過程における満足度、遺族が語る方法のファシリテーション、作成資料内容等とすることを検討した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は研究の最終年度であったが、成果公表に資する研究とするため対面調査を2024年度へと延長することとした。現在、参画中の市民1名に加え、市民3-5名を加え、市民および学際研究者の意見を参考にしながら、成人期以降の遺族20-30名へのインタビュー調査を着実に遂行する。2024年7月頃までには倫理審査を受けられるように研究計画を精練していく。また、第二段階の調査における看取り体験に関わる質問紙調査における調査方法、および、プログラム構築とも併せ、研究体制を整えて、引き続き調査を確実に遂行する。
|