研究課題/領域番号 |
21K19631
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60240355)
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研究分担者 |
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
飯高 世子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80800680)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 運動器疾患 / 男性のライフステージ / 地域住民コホート / 要介護予防 / 検診プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
要介護の上位疾患である運動器疾患(サルコペニア:SP、骨粗鬆症:OP、変形性関節症:OA)には性差があるが、男性に焦点を当てた研究は少なく、実態は未解明である。申請者らは、2005年地域住民コホート(ROADスタディ)を構築し、過去5回13年にわたる調査を実施した。本研究では蓄積した検診結果をデータリンケージし、男性運動器疾患の発生率、危険因子を解明し、予後への影響を明らかにする。得られたエビデンスを元に、ライフステージ(中壮年期、熟年期、老年期)からみた男性の運動器疾患予防検診プログラムを開発し、17年目のROADスタディ第6回調査に応用し、効率的なスクリーニング方法を確立する。
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研究実績の概要 |
申請者らは、2005年地域住民コホート(ROADスタディ)を構築し、過去5回13年にわたる調査を実施した。本研究では蓄積した検診結果をデータリンケージし、男性運動器疾患の発生率、危険因子を解明し、予後への影響を明らかにすることを目的としている。得られたエビデンスを元に、ライフステージ(中壮年期、熟年期、老年期)からみた男性の運動器疾患予防検診プログラムを開発し、効率的なスクリーニング方法を確立することを最終目標とする。 本年度は、DXAによる骨密度、X線、性ホルモン測定全てのデータがそろった第3回ROADスタディ男性513人の結果を解析し、以下のことを解明した。 1)男性OPの有病率は、4.9%であることがわかった。 2)男性OPと性ホルモン:男性OPありに対する内因性性ホルモンのオッズ比はe2+1pg/mLの場合0.98(p=0.442)、DHEA-S +1ng/mLで1.00 (p=0.799)、f-TS +1pg/mLで0.944 ( p=0.161)となり、OPと性ホルモンの間に有意な関連はみられなかった。 3)男性OPの予後:第3回ROAD study参加者男性を6年間追跡し、要介護の有無を確認した。6年後の要介護の有無を目的変数とし、ベースライン時のOPの有無を説明変数とし、年齢、体格(BMI)、地域を調整して、ロジスティック回帰分析を行ったところ、OPありの要介護発生に対するオッズ比は24.7 (p=0.005)となり、男性OPはその後の要介護の発生に強く影響を及ぼしていることがわかった。 さらに2022年度には、和歌山県山村部において、ROADスタディ17年目の第6回調査を実施し685人(うち男性233人)の参加を得た。検診データ入力を終え、個人情報を消去し、ROADコホート17年目の第6回調査(山村部)データセットを完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の解析において、男性OPの有病率とその予後を解明することができた。内因性ホルモンとは有意な関連が見られなかったが、2022-23年度のROADスタディ第6回調査(山村漁村)調査参加者のデータの追加により、対象者数を増やしてさらに解析の精度を高める予定である。加えて男性OPの発生率についても推定を実施し、関連要因の同定を進める。 本年度はCOVID19の影響が懸念されたが、感染予防に万全の体制をとり、自治体、参加者らの同意を得て、ROADスタディ17年目の第6回調査(山村部)を実施し685人(うち男性233人)の参加を得た。最終年度は漁村部の検診を実施する計画であるが、すでに自治体、対象者らの承認を得ており、男性500人の参加を見込んでいる。これらデータの入力を実施し、ROADコホート17年目の第6回調査最終盤データセットを完成し、これを解析することにより、本研究の目的の達成を目指する。17年目のコホート追跡調査は有病率を推定した第3回調査から見て10年目となるため、1decade (10年)における男性OPの頻度の差異についても比較分析が可能となる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は地域住民コホートROAD (男性参加者1,061人)の17年目の追跡調査を漁村コホートにおいて実施する予定となっている。文書によるinformed consentを得られた検診参加希望者を対象とし、以下の項目の検診を実施する:1)既往歴、転倒、骨折歴、家族歴、職歴、飲酒、喫煙、嗜好品、骨関節の痛みなどの自覚症状、WOMAC、SF-8やEQ-5DによるQOL、栄養調査など400項目、 2)全身の骨・関節に関する理学所見、3)血圧、身長、体重、翼幅、手首回り、腹囲、握力の測定、4)開眼片足立ち検査、いす立ち上がり検査、歩行速度、5)DXA(Hologic Discovery)にて、腰椎L2-4、大腿骨の骨密度を測定。6)膝立位前後像、脊椎前後像、骨盤正面像のX線撮影、7)インピーダンス法(TanitaMC190)により、四肢筋量を測定、8)大腿四頭筋力の測定(アルケア ロコモスキャン)9)血液、尿検査:血算、血糖、HbA1c、脂質、腎機能、肝機能、炎症マーカー、尿潜血、糖、蛋白測定、10)mini mental statement examinationにより認知機能検査を実施、11)脳MRI検査:脳萎縮度の判定、12) 要介護、死亡、転出の有無の確認。 これら検診データを入力確認し、ROADコホート17年目の第6回調査(山村漁村)男性OP解析用データセットを完成する。このデータセットの解析により1)男性OPの発生率、2)男性OPの発生の危険因子防御因子、3)男性OPの長期予後, 4) 男性OPの有病率の1 decadeの推移を明らかにする。これにより、ライフステージ(中壮年期、熟年期、老年期)からみた男性の運動器疾患予防検診プログラムを開発し、最終目的である効率的なスクリーニング方法の確立に貢献する。
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