研究課題/領域番号 |
21K19634
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴沼 晃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90647992)
|
研究分担者 |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | マイクロアグレッション / 構造的差別 / ウェルビーイング / 国際移民 / 新型コロナウイルス感染症 / ヘルス・リテラシー / 主観的健康観 |
研究開始時の研究の概要 |
個人の身体的特徴や所属する社会集団により不当な扱いを受ける差別は社会に広く存在する。被差別の当事者は政治、就業や収入、公共サービスへのアクセスなど様々な機会の制限を制度上、または慣習的に受けることがあり、構造的差別とも呼ばれる。構造的差別は被害者に多大なストレスを与え、メンタルヘルスに負の影響を及ぼす。一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりは、感染者や感染リスクの高い職業従事者へのスティグマと差別を引き起こしている。本研究では、構造的差別とCOVID-19に起因する職業差別を受ける当事者を対象に、被差別経験と主観的健康観、ウェルビーイングの関連を追跡調査する。
|
研究実績の概要 |
日本に3か月以上居住する外国人住民を対象にオンラインでの縦断的パネルを構築し、被差別経験と主観的健康観、ウェルビーイングの関連についてベースライン調査を完了した。外国人住民や各職業従事者をターゲットにしたソーシャル・ネットワーキング・サービス及びポータルサイトにて研究参加者を募集した。構造化された調査票による自記式オンライン調査として実施した。調査事項は以下の通りである:(1)人口社会要因(年齢、性別、教育水準、職業、就業状態)、(2)日常的被差別感(マイクロアグレッション)、(3)被差別につながる特異経験(日常生活及び保健医療機関にて)、(4)孤独感、(5)主観的健康観、(6)ウェルビーイング(Generalized Anxiety Disorder 7-item (GAD-7) scale)。有効回答数1,706名から調査協力を得た。39点満点のマイクロアグレッションスコアについて、回答者の平均点は16.1点(標準偏差:6.7点)であった。また、13点満点のGAD-7スケールについて、回答者の平均点は6.3点(標準偏差:4.4点)であり、23%の回答者が中程度または強度の不安水準を示した。人口社会学的特性や出身国、人種などを考慮した重回帰分析の結果、出身国がマイクロアグレッション経験に関連する一方、人種がウェルビーイングに関連していた。その他に、年齢、教育水準、婚姻形態、日本居住年数、主観的健康観、新型コロナウイルス感染症の雇用への影響、新型コロナウイルス感染経験とマイクロアグレッション経験に関連がみられた。一方、年齢、主観的健康観に加えてマイクロアグレッション経験はウェルビーイング水準に関連していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年中に被差別経験と主観的健康観、ウェルビーイングの関連に関するフォローアップ調査を完了することができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
すでに構築した縦断的パネルを利用し、日本に居住する外国人住民に対する被差別経験と主観的健康観、ウェルビーイングの関連に関するフォローアップ調査を完了させる。
|