研究課題/領域番号 |
21K19652
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
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研究分担者 |
市場 正良 佐賀大学, 医学部, 教授 (60184628)
土器屋 美貴子 佐賀大学, 医学部, 非常勤博士研究員 (20749139)
原 俊哉 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 常勤医師 (70274602)
小林 大祐 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (30405667)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ALDH2 / 遺伝子多型 / アルデヒド / 行動変容 / 介入研究 / 発がん / 肝障害マーカー |
研究開始時の研究の概要 |
医療従事者が飲酒による食道がんのハイリスク者であるALDH2*2保有飲酒者に「飲酒OK」の判断を伝えてしまう事でリスク回避の機会が失われている。ALDH2*2は肝障害を抑えるため、飲酒態度に問題がないと錯覚してしまうのである。医療従事者ががん高リスク者に対し飲酒を容認する態度を示すことは医療倫理に反するため、ALDH2*2を考慮した癌予防啓発が急務である。本研究では医療施設・職域・地域におけるヘルスチェックの機会を活用し、ALDH2多型rs671の判定を伴う飲酒習慣への介入を行い、多型検査の費用対効果の試算、手順の標準化を目指す。
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研究実績の概要 |
アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の変異型遺伝子(ALDH2*1/*2あるいはALDH2*2/*2のことで、ALDH2*2は変異アレル)は飲酒時顔面紅潮で知られ、東アジア人特有の体質や疾病構造を生む。特にALDH2*2を考慮したアルコール関連癌に対する適切な啓発が急務である。本研究は、ALDH2*2を考慮したアルコール関連癌啓発の必要性/効果を示すエビデンスの創出を目指している。 今年度は飲酒によるアセトアルデヒドばく露のバイオマーカーとしてHPLC-ECDを用いた尿サンプル中サルソリノールの分析方法を立ち上げた。クレアチニン測定法およびカテコルアミン測定法、尿比重測定法について、実験補助員の教育を行い、環境整備を行った。 さらに、佐賀大学倫理審査の承認を受けたうえで、試験名「保健医療におけるアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)遺伝子型判定の実装化を目指して」とする介入研究を開始し(UMIN試験ID:UMIN000050580)、1事業所、参加者57名の協力を得てベースライン調査を行った。インフォームドコンセント後、無作為に3群に割付け、1群は飲酒頻度および飲酒量、飲酒に対する意識、ストレス対処の方法について、質問調査のみを行った。2群は、1群の調査に加えて頬ぬぐい液より遺伝子型判定を行い、結果を関連情報とともに返却した。3群は、2群の内容に加えて、飲酒量の記録と睡眠モニターを1週間行い、尿検査を行った。 これらの結果は遺伝子型判定結果および関連情報とともに返却した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行の影響で協力施設の募集が難航したため。また、HPLC-ECDによるサルソリノール測定法では低濃度域の定量性が不十分であることが判明し、LCMS立ち上げの必要性が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き協力施設の募集を行う。また、尿中サルソリノールのLCMS法を立ち上げる。介入研究を引き続き進める。
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