研究課題/領域番号 |
21K19659
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
千葉 由美 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10313256)
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研究分担者 |
藤田 孝之 福岡大学, 医学部, 教授 (40468202)
石上 友章 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50264651)
宮川 繁 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70544237)
佐々木 紀彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80639063)
川上 恭司郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 再生 / 評価 / 心筋梗塞 / 炎症 / 免疫 / 心疾患 / 栄養 / 加齢 / 幹細胞 / 組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者でも心臓外科手術や心筋梗塞(MI)等の内科的治療により機能改善が図られるようになった。術後の開胸部の創傷治癒過程やMI後の心筋リモデリング等には、間葉系細胞による炎症や免疫の働きが関与する。循環器系疾患の回復のメカニズムへの栄養や加齢の影響の精査は重要と考え、動物モデルを用い、以下の通り検証を行う。 1.週齢の異なる(10週齢、72週齢)心筋梗塞マウス群とSham群の心筋梗塞部位周辺の炎症、心機能等の比較検討。 2.高脂肪食群とSham群で心筋梗塞部位周辺の炎症、心機能等への影響を比較検討。 3.マウス皮質骨由来幹細胞の採取・評価を行い、MI部位、血管内皮細胞の炎症への影響を検討。
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研究実績の概要 |
再生医療は“組織の修復”の概念を包含するが、高齢者でも心臓手術や心筋梗塞後の内科的治療によって機能改善が図られるようになった。術後の開胸部の創傷治癒過程や心筋梗塞後の心筋リモデリング等には、間葉系幹細胞による炎症や免疫の働きが関与しており、炎症には日常生活に不可欠な栄養も影響しているとされる。 循環器系疾患は、特に高齢者が多いが、若年者や高齢者の回復のメカニズムに、栄養や加齢がどのように影響するかを分子生物学の視点から精査し、機能回復・向上を目指した医療・看護支援の実践に寄与する基礎資料を得ることは重要である。 なお、心筋梗塞発症による手術後には、創部の癒着が発生することが一般的に知られているが、マウス実験で模擬的に心筋梗塞を作成するといった施術を行い、摂取した食餌別の比較で、n-3/n-6脂肪酸の含まれた食餌群では、動物性脂肪食餌群に比較し、癒着の程度が改善するといった新たな知見を得ることができた。これらは炎症と創傷治癒の過程で何等かの差を生じている可能性を予見するものである。食の指導は看護支援にも包含される重要な内容であることから、さらに詳細な検討を行っていきたい。幹細胞に関する実験としては、単離された骨由来幹細胞からエクソソームを抽出し、さらにそれらの有用性を示す予備実験を開始しているが、良好な結果が得られている。さらにこれらの実験を進め、詳細を明確にしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心筋再生実験に使用する新たなリソースとなる可能性のある幹細胞の評価を進めており、さらに新たなリソースに関する知見を一部得ることができた。新たな幹細胞は、心筋再生のみならず、炎症抑制等にも寄与する可能性があり、研究が広がる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトで扱っている幹細胞の評価を引き続き遂行する。新たな視点での実験計画立案ならびに評価につながる可能性が見いだせたことから、さらに研究推進するために、技術を有する研究者のリクルートや依頼を図っていく必要性があると考える。 具体的な内容については、いくつかの切り口があることから、共同研究を進める体制を構築していくとともに、専門領域の有識者とともに、ディスカッション、ならびに研究を進めたい。
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