研究課題/領域番号 |
21K19667
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植野 さやか 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80848937)
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研究分担者 |
田村 和朗 近畿大学, 理工学部, 客員教授 (20278823)
赤木 究 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)診療部長 (30244114)
平沢 晃 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90296658)
吉田 玲子 (岩崎玲子) 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 副部長 (10421166)
植木 有紗 公益財団法人がん研究会, 有明病院 臨床遺伝医療部, 部長 (60445319)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | オンライン診療 / 遺伝性腫瘍 / 遺伝診療 / 遠隔診療ネットワーク / 家系単位での遺伝医療 / 医療の地域間格差 |
研究開始時の研究の概要 |
がんゲノム医療の普及に伴い、遺伝性腫瘍症候群と診断される機会が急速に増加した。国内の年間新規がん患者数は約100万人であり、約5-10万人が遺伝性腫瘍に相当する。血縁者も含めると潜在定期な遺伝医療の対象者は今後さらに増加すると見込まれる。未発症の遺伝性腫瘍病的バリアント保持者に対し、適切な検査や予防手術などの介入を行うことで、がん発症リスクを低減できる。しかし、遺伝性腫瘍の診療を担う専門医やカウンセラーの不足は顕著であり、さらに都市部へと偏在しているため、遺伝医療格差が懸念される。本研究の成果は、人材を有効に活用できるオンライン遺伝診療の発展に貢献し、遺伝医療の偏在解消に大きな役割を果たす。
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研究実績の概要 |
本年度は「オンライン遺伝診療に対する意識調査」の実施及び集計・解析を主に行った。 <遺伝診療を受けたクライエント側へのアンケート調査の実施> 研究実施機関である、岡山大学病院・埼玉県立がんセンター・昭和大学病院・がん研有明病院・兵庫県立がんセンターを受診したクライエントを対象とした無記名式アンケート調査を、2022年度に引き続き実施した。2023年度中に215件の新規回答を得ることができ、アンケート調査の総回答数は455件となっている。新規の回答受付は終了し、集計・解析作業を開始した。完全回答が得られた372件についての集計作業が終了している。受診する医療機関の選択肢が増えることや、通院時間が短縮できることがオンライン診療のメリットとして認識されていた。また、回答者の80%以上は、アンケート調査実施当日に受けた遺伝カウンセリングの内容について、オンラインで7-8割以上は理解・納得が可能と考えており、遺伝診療においてもオンライン診療が活用可能であることが示唆される。一方で、診療内容に対する理解度が低下する可能性があることも同時に示唆される結果であり、オンライン診療を活用するための工夫が必要であると考えられる。 <遺伝性腫瘍症候群の家系における血縁者の遺伝外来受診率> 研究実施機関において、遺伝性腫瘍症候群家系と診断された家系を対象に、血縁者の遺伝外来受診率の調査を行い、年代や性別による差があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、医療者側へのアンケート調査の集計解析結果について、学会報告を行なった。また、遺伝診療を受けたクライエント側へのアンケート調査を実施し、ほぼ想定していた回答数を得ることができた。ただ、回答数を得るまでの時間が想定より長くかかったため、集計・解析作業が終了していない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した2種類のアンケート調査について、結果の集計・解析作業を進めていく。また、解析で得られた結果について、遺伝関連学会及びがん関連学会などでの成果発表を行なっていく。
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