研究課題/領域番号 |
21K19672
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
立道 昌幸 東海大学, 医学部, 教授 (00318263)
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研究分担者 |
深井 航太 東海大学, 医学部, 講師 (00813966)
堤 明純 北里大学, 医学部, 教授 (10289366)
山内 武紀 昭和大学, 医学部, 准教授 (40576287)
古屋 佑子 東海大学, 医学部, 助教 (80880260)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 中小零細企業 / 産業保健 / ICT利用 / 新しい産業保健サービス / 健康増進 / データベース / AI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は職域での健康格差を是正するため、ICTとAI技術を利用し、産業保健の知的データベース(DB)を構築することにより、専門家を必要とするリアルサービスと仮想サービス(AIによる解決策の提示)の提供を行う「中小零細事業所向け産業保健提供サービスエンジン」の開発を行うことである。①健康診断を軸とする健康管理・保健指導と就業上の配慮、②メンタルヘルス予防と不調者の対応、③有害物管理を主とする労働衛生管理、④病気を持つ従業員の就業配慮や両立支援、⑤健康経営やTHP促進事業とし、それぞれ具体的ケースを提示してその解を収集することによって、産業保健に関する専門的知見のDB化を行う。
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研究実績の概要 |
大規模な人口が働く中小零細企業については、産業医の選任制度もなく、ストレスチェック制度も努力義務であり、産業保健サービスを受けられていない環境である。従って、本研究は、中小企業に様々なIoTなどの利用できる技術を用いて、産業保健サービスを提供するツールや仕組みを構築することを目的とし、「全ての人に産業保健サービスの提供」の実現をを目標としている。 当該年度は、第一段階として、まずは、中小企業経営者に関する産業保健に関するニーズ調査を計画した。まずは、小規模からのインタビュー調査で質的検討を行いアンケート調査を作成して、全国的な調査を計画した。 また、現在まで中小企業の支援事業として中心的な役割をもつ、産業保健総合支援センター(神奈川)と連携して、これまでの相談事例集を収集して、DB構築を目指すための準備を行った。 特に今回の調査時期が新型コロナウイルス感染症のパンデミックに遭遇して、多くの課題が新型感染症拡大時における中小企業対策についてフォーカスされた。結果をみると、5人未満の零細企業では逆に課題はすくなく、20-30人規模の事業所での課題が多くあった。そのため、中小企業もかなり職種や人数を細分化した上でのニーズ調査が必要と考えられた。 また、一方で、新しい中小企業向けの産業保健サービスの全体像を模索するために、分担研究者と協力者ととに、十分な議論を行い、質的な検討を加え、全体像の構築を行った。 ただし、今回のコロナ禍では中小企業の主な課題は、経営や資金調達にフォーカスされていて、具体的な産業保健サービスの本来の内容とは異なる必要な情報が得られなかったことから、今年度初期早々に、感染状況が落ち着き、経営環境が改善し次第、再度行う必要があると考え、計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の最も重要な研究対象であった、中小企業についての産業保健にニーズ調査の実施について、コロナ禍の直撃を受けて、中小企業の現状は、経営、資金的な困難性が高く、産業保健のメインのテーマである従業員の健康問題についての聞き取り調査が困難であったこと、この状況に伴い、商工会議所との協力・連携が難しかったことで遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染状況改善のタイミングを見計らい、中小企業の産業保健に関するニーズ調査を再度大規模に実施する上半期上半期に早々に実施する。さらには、研究協力者の支援を受けて、まずは、神奈川にて中小企業支援のモデル事業の基盤的整理を行い、実現化をめざすため、関係部署との連携強化を図る。 今回の目的は、産業保健サービスについて、中小企業が抱える課題を抽出して、そのソリューションを提供することであるため。そのソリューションがAIにて自動化できるのか、ヒトを介さなければならないのかについても同時に検討を行う必要がある。 そのため、各産業保健の専門家に仮想課題を相当数作成してもらい、そのソルーションについてのDB化を目指す。そのDBをDEEP learningさせて、具体的なソリューションの正しさについての検証を行い妥当性をマニュアルで検証する。最初として、これらのAIエンジンを搭載したICTツールを使った新たなサービスエンジンを開発して、質問課題が、AIで処理可能かヒトの関与が必要なのかについての検証を行う。 今回は、コロナ問題により、特に中小企業は、産業保健的な意識から、経営問題のボリュームが大きく、その点での情報収集のやりにくさがあった。一方で、中小企業は、エッセンシャルワーカーが多く、コロナに関する感染症対策についても十分な支援が届いていない実態もあり、この点では、社会的インフラを整える必要も同時に検討していく予定である。
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