研究課題/領域番号 |
21K19681
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
内藤 忠相 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50455937)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 新型コロナウイルスワクチン / 弱毒生ワクチン / 組換えウイルスワクチン / 中和抗体 / 抗原複合型ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルスSARS-CoV-2の感染予防対策として、安全性に優れた組換え生ワクチンの開発を試みる。先行研究により、SARS-CoV-2のワクチン抗原となるSpike蛋白質の抗原エピトープ部位、および宿主受容体ACE2と相互作用するSpike蛋白質の受容体結合領域は決定されている。そこで、ACE2受容体とは結合しないがワクチンとしての免疫原性を保持する新規Spike抗原蛋白質を単離し、組換え生ワクチンとしての安全性が確保済みの水疱性口内炎ウイルスの粒子表面に発現させる。作製した非増殖型の組換え生ワクチンを用いた動物接種実験により、SARS-CoV-2に対する中和抗体の誘導活性を検討する。
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研究実績の概要 |
本課題は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の感染予防に資する新規ワクチンの開発を試みており、具体的には生ワクチンと不活化ワクチンの長所を備えた非増殖型の組換えワクチンの創出を目指している。SARS-CoV-2の主要ウイルス抗原はSpike蛋白質であるため、本研究計画では「感染性は失活しているが免疫原性を保持するSARS-CoV-2の変異型Spike抗原」を人為的な変異導入スクリーニングにより単離した後、組換えワクチンの母体として安全性が確保済みの水疱性口内炎ウイルス(Vesicular stomatitis virus: VSV)に変異型Spike抗原を搭載させることで非増殖型ワクチンの開発を試みる。Wuhan-Hu-1株のSpike蛋白質を用いて、ウイルス中和抗体の主たる認識部位である受容体結合領域(Receptor binding motif: RBM)の全アミノ酸配列(71残基)のそれぞれをアラニン残基に置換した変異型Spike遺伝子セットを合成し、変異型Spike蛋白質を動物培養細胞に発現させるプラスミドセットを作製した。現在は、ACE2受容体蛋白質との結合に関与するRBM内のアミノ酸残基の同定を試みており、ACE2に結合しない単一アミノ酸変異型Spike蛋白質(=感染性が失活している)の単離を進めている。感染性が失活している単一アミノ酸変異型Spike蛋白質が免疫原性を保持しているかどうかを調べるため、既に作製済みのマウス由来抗Spikeモノクロナール抗体を用いた酵素免疫測定法等により独自のSpikeワクチン抗原の取得を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通りに実験材料を調製して解析を進めているが、現時点において組換えワクチンに応用できる独自のSpike抗原(Wuhan-Hu-1株由来)の単離には至っていない。また、将来的な社会実装を見据えて、現在の市中流行株(オミクロン株)がコードするSpike蛋白質由来のワクチン抗原の単離も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
変異型Spike搭載VSVライブラリーを完成させた後、人工合成した組換えACE2受容体および抗Spike抗体のそれぞれを固相化した2種類の96ウェルプレートを作製し、各プレートにVSVライブラリーを反応させる。続いて、酵素標識した抗Spike抗体を反応させることで、固相化ACE2受容体または固相化抗Spike抗体と結合した組換えVSVを酵素免疫抗体法により検出する。その結果、ACE2固相化プレートでは酵素活性がなく、抗Spike抗体の固相化プレートでは酵素活性が検出される「変異型Spike導入組換えVSV」を単離する。すなわちACE2非結合型でありながら中和抗体と結合する変異型Spike蛋白質を見出し、中和抗体を誘導可能な免疫原性を持つ非増殖型組換えSARS-CoV-2ワクチン(VSV母体)の候補株を作出する。単離したワクチン候補株については、マウスを用いた動物接種実験等によりワクチン効果が期待できる抗Spike抗体が誘導されるかどうか検証する。
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