研究課題/領域番号 |
21K19696
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
紙上 敬太 中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (20508254)
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研究分担者 |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
石原 暢 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (10801631)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 子供 / 体力 / 学力 / 集中力 / NIRS / 運動 / 授業態度 / 脳 |
研究開始時の研究の概要 |
子供の体力と集中力の関係を示した研究は多く報告されている。しかしながら、これらの研究は実験室で認知テストを行わせた際のパフォーマンスや脳活動を評価しているに過ぎない。例えば、「体力の向上により認知テストの反応時間が10 ms短縮した」、「認知テスト中の脳波の大きさが5 μV増大した」などの結果が示されているわけである。このような実験室研究で得られた結果は何を意味するのであろうか?本研究は実験室を飛び出し、実際の授業現場での集中力を、認知神経科学的研究手法を用いて客観的に評価する方法、いわば「Classroom Neuroscience」の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
子供の運動不足、それに伴う体力の低下が懸念されるようになって久しい。また、経済協力開発機構による学習到達度調査では、2018年に読解力の国際順位が大幅に下がり、日本の子供の学力低下が懸念されている。そのような中、研究代表者らの研究グループは、日本の子供を対象に、体力と学力の変化の縦断関係を検討し、体力の向上と学力の向上が関わっていることを明らかにした(Ishihara et al., 2021, NPJ Sci Learn)。 しかしながら、なぜ体力と学力が関係するのか、その作用機序に関しては不明である。上述した研究代表者らの縦断研究では、学校以外での勉強時間も評価している。その結果、勉強時間の増加により学力は向上するという関係は認められたが、体力の変化と勉強時間の変化は関係していなかった。つまり、「体力の向上 → 勉強時間の増加 → 学力の向上」という関係は成り立たない。残る選択肢は、学校での授業態度の変化になるのではないだろうか。すなわち、「体力の向上 → 授業中の集中力の向上 → 学力の向上」という縦断関係が成り立つ可能性があるのではないかと考えている。しかしながら、授業中の集中力を客観的に評価することは容易ではなく、これまでに体力と授業中の集中力の関係を示した報告はない。そこで本研究では、ウェアラブル脳NIRS(近赤外分光法)を用いた授業中の集中力の評価法、いわば「Classroom Neuroscience」の確立に挑戦する。換言すれば、体力と学力の関係における作用機序の解明を窓口に、実験室を飛び出した実践的な認知神経科学的研究手法の提案を目指す。 令和4年度には、ウェアラブル脳NIRSを用いた授業中の集中力の評価法の開発を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で実験を実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で実験を実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には実験を開始し、これまでの遅れを取り戻すように努める。
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