研究課題/領域番号 |
21K19702
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 創一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50535630)
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研究分担者 |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
藤本 敏彦 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00229048)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 運動 / 脳 / 海馬 |
研究開始時の研究の概要 |
運動が年代を問わず,脳機能の維持や向上に対して有益な効果があることは広く知られている.特に,運動が海馬を活性化させるということが提唱されている.しかしながら,その根拠となっているものは動物モデルを用いた研究であり,ヒトを対象にした直接的な検討はほとんど行われてない.そこで本研究では,陽電子放射断層撮像法(PET)を用いて,運動がヒトの海馬を本当に活性化するのか,というこれまで直接的に明らかにされていない疑問をドーパミン神経を介した神経伝達と代謝という観点から解決することを試みる.
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研究成果の概要 |
本研究では,ポジトロン断層法(PET)を用いて,一過性運動によりヒトの海馬で内因性のドーパミンの遊離がみられるかについて検討した.その結果,ラクロプライドの脳内分布を示す平均画像の解析結果からは一過性の有酸素運動によりヒトの海馬においてドーパミン遊離がみられる可能性が示唆された.次に,一過性の動的運動(足上げ運動)による海馬の糖取り込み代謝の変化を評価したが,一過性の動的運動では海馬における糖取り込みにより変化はみられなかった.これらの結果から,一過性の運動がヒトの海馬における神経伝達物質と糖取り込みにもたらす影響の一端が明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動が脳機能の維持や向上に効果的であることは広く知られている.特に海馬は運動により有益な効果がみられる領域であることが多くの動物実験の結果から示されてきた.しかし,運動により本当に海馬が活性化するのかについて,ヒトを対象として検討した研究は少ない.本研究は,PETを用いてこの疑問を解決しようとする点でオリジナリティが高い研究であるといえる.引き続いて研究を継続し,より精度の高い解析を行うことで,運動と海馬の活性化について新しい知見が得られることが期待される.
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