研究課題/領域番号 |
21K19704
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
恒枝 宏史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (20332661)
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研究分担者 |
笹岡 利安 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (00272906)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 肝細胞癌 / 肥満 / 視床下部 / オレキシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とその合併症である肝細胞癌(HCC)に対する予防と治療法を創出するため、中枢神経系からアプローチする。そのため、現代人特有の肥満要因である「体を動かさない生活様式」と「睡眠・覚醒リズムの乱れ」に合致した表現型を示す視床下部オレキシン欠損マウスを用いて新規のNASH/HCCモデルを作出する。さらに、病態進展機序を解明するための生化学的解析と、有効な治療薬の開発を目指した薬理研究を実施する。
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研究成果の概要 |
肥満に伴う非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)/肝細胞癌の発症と中枢性代謝調節を担う視床下部オレキシン系の関連を検証した。高脂肪食負荷したオレキシン欠損マウスでは過度の肥満に加え、肝臓においてNASHや肝癌の発症を認めた。肥満病態ではオレキシンの補充によりNASH発症の起点となる肝臓の小胞体ストレスや慢性炎症が軽減された。このように、脳のオレキシン作用はNASHや肝細胞癌を防止するのための重要な標的であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、オレキシンの中枢作用が肥満に伴うNASHや肝細胞癌の防止に必須の役割を果たすことを見出し、脳のオレキシン神経系がNASH治療法の開発分野における新規標的であるとの概念を提起した。また、高脂肪食負荷オレキシン欠損マウスは、現代人特有の脂質摂取過剰、運動不足、および自律神経障害の複合効果に起因するNASH/肝細胞癌の病態モデル動物として、今後の治療法開発に有用であることを示した。
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