研究課題
挑戦的研究(萌芽)
骨格筋は、運動・エネルギー消費・糖利用などに役割を果たしている。解糖系が主体で瞬発的運動に適した白筋と、脂質利用が主体で持久的運動に適した赤筋に分けられる。しかし、白筋・赤筋を決定するメカニズムは不明な点が多い。本研究は、白筋・赤筋形成における骨格筋線維に特異的な筋サテライト細胞の役割を明らかにするとともに、DNAメチル化の生理学的意義の解明に取り組む。本研究の成果は、サルコペニア(加齢による筋萎縮・筋機能低下:白筋が萎縮しやすい)の予防・改善のための創薬のターゲットの手がかりとなることが期待される。また体力科学研究(運動能力:持久力・瞬発力)の発展の観点からも有用である。
本研究では網羅的遺伝子発現解析を行い、筋サテライト細胞が白筋線維に分化する機構を明らかにすることを目指した。その結果、Tbx1、Cited1、Hoxa1、Six2の4つの転写因子類の遺伝子発現が白筋由来の筋サテライト細胞で高く、白筋線維に分化するのにTbx1が必要であることが示唆された。また本研究では骨格筋特異的にDNAメチル化酵素・Dnmt3aを過剰発現させたマウスを作製した。遺伝子発現の網羅的解析を行い野生型のマウスと比べて発現が増加した遺伝子の探索を行ったところ、Dnmt3aは骨格筋において赤筋に多いタイプ1線維の数を増加させることによって、骨格筋の赤筋化に機能することが示唆された。
骨格筋はヒトの体重の40%を占める大きな組織であり、運動・エネルギー消費・糖利用などの役割を果たしている。骨格筋は、解糖系が主体で瞬発的運動に適した白筋(タイプ2線維)と、脂質利用が主体で持久的運動に適した赤筋(タイプ1線維)に分けられる。しかしながら、白筋・赤筋を決定するメカニズムは不明な点が多い。本研究の成果は、サルコペニア(加齢による筋萎縮・筋機能低下:白筋が萎縮しやすい)の予防・改善のための創薬のターゲットの手がかりとなることが期待される。また体力科学研究(運動能力:持久力・瞬発力)の発展の観点からも有用である。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Journal of Nutritional Science and Vitaminology
巻: 68 号: 1 ページ: 65-72
10.3177/jnsv.68.65
130008164781
The FASEB Journal
巻: 36 号: 2
10.1096/fj.202101385rr
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 87 号: 1 ページ: 108-113
10.1093/bbb/zbac170
Cell Reports
巻: 40 号: 4 ページ: 111131-111131
10.1016/j.celrep.2022.111131
Nature Metabolism
巻: 4 号: 2 ページ: 180-189
10.1038/s42255-022-00533-9
巻: 85 号: 3 ページ: 579-586
10.1093/bbb/zbaa059
Sci Adv.
巻: 7 号: 24
10.1126/sciadv.abd7924
http://nutrition.life.kpu.ac.jp/
https://nutrition.life.kpu.ac.jp