研究課題/領域番号 |
21K19737
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
中里 浩一 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (00307993)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | siRNA / 骨格筋 / NSMAF / Nsmaf / TNFα / 分化 / 筋萎縮 / 炎症 / 骨格筋分化 / Myomixer / 探索的RNA干渉 / 骨格筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や疾患による血中炎症性サイトカインの増加は筋萎縮の誘因となる。セラミドは炎症性サイトカインによる筋萎縮の候補分子である。我々は培養筋管細胞のRNA干渉により探索的にセラミド代謝タンパク質群をノックダウン(KD)し、筋管形態を指標にスクリーニングを行った。その結果Nsmafが筋萎縮を誘発した。本申請の第一の目的はNsmafが速筋の形態制御に関わることを示すことである。また培養筋管細胞による探索的KDを用いた筋形態制御因子の抽出は一次スクリーニングとしての有用性が高いと考えた。そこで本研究の第二の目的は探索的RNA干渉と機械学習を組み合わせたの自動化・多検体スクリーニング法の確立である。
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研究成果の概要 |
加齢時の全身性の炎症亢進は血中炎症性サイトカイン(TNFαなど)の増加を介して骨格筋萎縮を誘発する。我々は炎症に関わるリン脂質代謝酵素群を対象に低分子干渉RNA(RNAi)を用いた網羅的ノックダウン(KD)を行い、骨格筋形態に強い影響を与えるNsmaf (neutral sphingomyelinase activation associated factor)を発見した。NsmafKDは骨格筋タンパク合成は増加させるが筋線維径を減少させたがNsmaf過剰発現は影響を与えなかった。網羅的siRNAは骨格筋形態制御因子探索に有効であり、Nsmafは新規骨格筋形態制御因子であると結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢に伴う骨格筋萎縮(サルコペニア)は日常生活動作に支障をきたす。身体動作のみならず骨格筋は代謝や内分泌にも影響を与えるため、骨格筋萎縮は加齢や慢性疾患に伴う代謝異常の促進にも関与する。したがって加齢時や慢性時の骨格筋萎縮を予防することが重要である。慢性的な炎症がこれら骨格筋萎縮に影響を与えることが知られており、今後炎症反応に影響を与える様々なタンパク質を網羅的にノックダウンすることで慢性炎症による骨格筋萎縮に影響を与えるタンパク質の抽出が可能になることが期待できることを示した初めての研究成果である。この方法論は慢性炎症時の骨格筋萎縮のみならず多くの疾患に対して有効なアプローチになる。
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