研究課題/領域番号 |
21K19741
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / AI(人工知能) / 音声 / 会話 / 機械学習 / リハビリテーション / AI / 認知症 / 作業療法 / テレリハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,AIソフトを用いた高齢者の音声信号の解析によって,認知症の発症を予測したり,発症を予防するための認知トレーニングを電話を介した遠隔リハビリテーションとして開発しようとするものである.アルツハイマー病患者では音声信号に示されるスペクトラムが不規則になるという報告があり,そこに着目してAIソフトを開発し,そのスペクトラムを学習させる.そのAIを用いて高齢者と電話を通じた会話を行う過程で,さまざまな認知課題を提供し,音声信号のスペクトラムの分析から,認知症の予防と早期発見につなげるという実証実験を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,アルツハイマー病患者と健常高齢者の音声の違いを識別するために,両群の音声解析を通してAI(人工知能)の開発を試みた.実験では,アルツハイマー病患者と健常高齢者に認知機能テストをしてもらい,その時間の会話を録音して,コンピューターで機械学習という手法によって分析した.その結果,アルツハイマー病患者では,音声の歪みが生じていることがわかり,その歪みを検出することでAIがアルツハイマー病の可能性を判定できるようになった.一方で,今回の研究では,分析の対象とした症例数が両群それぞれ100名程度であったため,より性能の高いAIにするためにはさらなる機械学習が必要と考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の成果は,会話の音声という非侵襲的な検査によって,アルツハイマー病発症の可能性を予見できる可能性を示したことである.アルツハイマー病の早期発見には体液バイオマーカーの手がかりとした検査が有効とされているが,時間とコストがかかる.またPETによる検査も同様でスクリーニングには適していない.本研究がAI(人工知能)の開発を目的としたことも時宜を得ており,これが実用化されれば,安価でアルツハイマー病の早期発見やリハビリテーションの効果判定に利用可能となる.社会的にも,例えば,金融機関などにおいて資産管理能力の判定に用いることを通して,認知機能が低下する前に相続対策に役立てることができる.
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