研究課題/領域番号 |
21K19743
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小林 聡 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (50292214)
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研究分担者 |
和久 剛 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (40613584)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | がん / 代謝 / LDHA / NRF3 / 膵臓がん / 乳酸 / CTGF / 腫瘍悪性化機構 / がん免疫 / 遺伝子発現 / 膵臓ガン / 免疫チェックポイント阻害療法 / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の仮説である「膵臓ガンにおいてNRF3-LDHA-乳酸産生経路の阻害は、T細胞を再活性化しガン免疫療法が奏功する」を検証するために、本研究では、(1) 転写因子NRF3による乳酸合成酵素LDHAの発現機構の解明、(2)Nrf3欠損させた膵臓ガン細胞に対するT細胞の細胞障害性解析(細胞レベル解析・マウス個体レベル)、(3) HIV治療薬であるNRF3阻害剤の膵臓ガン治療への適応拡大を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、膵臓ガンにおいて転写因子NRF3が乳酸産生を誘導する可能性を解析し、その阻害が与えるT細胞への影響を解明し、免疫チェックポイント阻害療法を奏功させる新たな治療法を開発する点にあった。しかしながら今回、残念ながら膵臓がんにおける乳酸合成酵素LDHAの発現において、NRF3は転写誘導するが、タンパク質レベルの発現は増加させないことがわかった。これはLDHAタンパク質自体が正常時から高発現しているためと考察した。その代わり、膵臓がんの増殖にNRF3がきわめて重要な機能をもつことを発見した。この予想外の結果は、NRF3が難治性である膵臓がんの新たな治療ターゲットになることを意味する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医学の発展により、がんは早期発見されれば治療できる疾患になりつつあるが、膵臓がんは未だに5年生存率が10%を切り、難治性のままに至っている。したがって膵臓がんの克服は喫緊の課題になっている。膵臓がんが難治性である要因の1つに、奏功する抗がん剤が少ない点にある。したがって本研究成果は、膵臓がんの新たな治療ターゲット候補として、NRF3が有用であることを意味する。NRF3の転写因子としての活性はタンパク質切断酵素DDI2により制御されていることから、DDI2阻害剤はNRF3の阻害を介した膵がん治療薬につながる可能性が期待される。
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