研究課題/領域番号 |
21K19755
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
舘野 高 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (00314401)
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研究分担者 |
村上 修一 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (70359420)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超音波トランスデューサ / 神経刺激法 / 微細加工技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,機械的振動で効率的に中枢神経系を低侵襲的に刺激し,体内臓器や末梢系効果器に神経信号を送信する新技術の開発を目指している.また,局所領域にある細胞に機械的振動を印加した際に,その振動が脳活動を誘起する細胞レベルでの作用機序の解明を試みる.上記の目標の実現に向けて,脳の局所領域に対して弱強度の超音波を放射し,低侵襲的に神経活動を誘起するサブミリサイズのデバイスを製作する.また,その実験系,および,効率的な神経活動誘起の実験プロトコルを開発する.上記の課題を通じて,ヒトに医療応用するために,空間高分解能の特性をもつ中枢神経系の低侵襲性刺激システムを構築する基盤技術を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究では,超音波振動を用いて中枢神経系の活動を低侵襲的に修飾する技術開発を目指した.その実現のため,脳の局所領域に超音波を放射して神経活動を修飾する小型デバイスを製作した.微細加工技術で作成した微小トランスデューサ基板で超音波の刺激を生成し,脳切片の細胞内カルシウムイメージングで神経活動の誘発が確認された.本研究結果を報告した論文は国際誌に受理されている.また,モデル動物に応用する実験系を開発し,実験プロトコル条件を探索した結果,中枢神経系のみを効果的に刺激する条件が見出された.薬剤を用いた難聴モデル動物を作成し,超音波刺激が聴覚中枢系の神経活動を直接的に誘発できること実験的に確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として,本研究課題で開発したマイクロスケールの振動板をもつトランスデューサは,局所的な超音波振動によって,神経系の試料や脳内の神経細胞膜を刺激でき,細胞膜の神経興奮の機序を知る有用な方法となり得る. 社会的意義として,本研究課題の微細加工技術で製作された超音波トランスデューサは,脳刺激用の小型機器として医療応用が可能である.また,神経系に作用する薬剤の効果を本手法で代替することによって脳神経疾患の治療に応用できるため,将来的に医療費の削減に一部貢献できる可能性がある.
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