研究課題/領域番号 |
21K19763
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022) 名古屋大学 (2021) |
研究代表者 |
大島 聡史 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (40570081)
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研究分担者 |
小野 謙二 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (90334333)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | GPUコンピューティング / 高性能計算 / 計算科学 / レイトレーシング / 電波伝搬計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、リアルタイムレイトレーシング加速機構を備えた画像処理ハードウェア(以下、R-GPU)の計算科学分野での活用を目指すものである。 加速機構を活用した計算科学プログラムの試作や評価を行い、その適性や問題点を明らかにするとともに、R-GPUに適したプログラミング手法の検討を行う。本研究が先導事例となることで、R-GPUを活用した計算科学アプリケーションの高速化と利用環境の整備を行い、実用化や普及に向けた道筋を示す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に引き続きGPUに搭載されたレイトレーシング処理加速用ハードウェア「RTコア」の計算科学分野における活用に向けた取り組みとして、電波伝搬シミュレーションプログラムの実装と評価を実施した。2021年度は非常に単純な問題設定のみでの実験に留まっていたが、2022年度は実装の改善や複雑な問題設定への対応を行い、性能の評価と分析を行い、さらにプログラミングモデルについても議論を深めた。性能評価の結果、より高速な(コア数の多い)GPUを使うことで性能が向上することを確認し、またオープンデータに基づく複雑な形状についても高速にシミュレーションができることを確認した。 得られた成果を国内研究会にて発表した。さらに査読付き国際会議に投稿し、採択された。(2023年5月発表予定。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RTコアを用いた計算科学アプリケーション(伝搬計算シミュレーション)の実装と性能評価を進めることができた。これまでの成果を国内研究会で発表し、さらに査読付き国際会議にも採択された。以上から「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
電波伝搬計算の実装と評価はおおむね順調に進んできた。その一方で、電波伝搬シミュレーションにおいて重要な計算の全てがRTコアにより高速化済みであるわけではない。具体的には、電波の反射を考慮した計算は適切に行えている一方、電波の回折や透過についてはRTコアによる処理と容易に対応づけることができない(レイトレーシングフレームワークにより容易に実装できるわけではない)ため未実装である。また、高性能な(コア数の多い)GPUを利用した際に性能がむしろ低下してしまう事例を確認している。本年度はこれらの点について重点的に対応(実装法の考案、原因の分析と解決)を行う予定である。 また、電波伝搬計算以外の問題への対応についても検討を行う。
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