研究課題/領域番号 |
21K19774
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
八杉 昌宏 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30273759)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 耐障害性 / 順序計画 / 並列実行 / 冗長実行 / 計算省略 / 分割統治 / 階層性 / 協調計算 / 冗長計算 / 計画法 / 局所的判断 |
研究開始時の研究の概要 |
複数の処理装置が協力して一つの計算を並列実行する際には、各装置の担当範囲を決めるのが常識でした。これに対して、どの装置も全範囲を異なる順序で担当しつつ、実行時に他から結果を得た部分の計算は省略することで、全体として障害に強く、無駄も少ない並列実行手法を研究しています。本研究では、事前の並列実行順序計画から各装置が局所的に情報交換の内容や相手を判断する手法(計画法)を改善するとともに、通信やデータ管理をはじめ、幅広くさまざまな社会基盤へと応用していきます。
|
研究実績の概要 |
並列分散環境において、一つの計算を複数の実行主体が協力して並列実行するには、各主体の担当範囲を決めることが多い。不規則計算等の場合は、分割統治的に与えられる階層的計算に関してワークスティールに基づく実行時割り当ても行われている。このような「計算を分担」という「常識」とは正反対の革新的パラダイムとして「冗長計算を階層的に省略」という並列実行手法を提唱している。どの主体も全範囲を異なる順序で担当しつつ、実行時に他から結果を得た部分の計算は省略し、全体として障害耐性も並列効率も高める。また、事前の並列実行順序計画から各主体が局所的に情報交換の内容や相手を判断する手法を考案している。各主体の視点からの階層的な状況を、限られた情報から制約方程式を解くように「逆算」する。 当該年度は本手法の通信層への適用を検討した。しかし、あまりうまく行かず、結局、まずは冗長性を持つ分散データストレージと合わせて検討すべきと認識に達した。もともと本手法の通信層やデータ管理層への適用拡大を行うことは目的の一つであったので合わせての検討は問題ない。これは、通信はデータの場所に依存し、データ管理には通信を必要とする相互関係もあるが、実行主体が停止するような事態は通信層だけでは対応できないためである。 当該年度はまた、部分的計算結果を不揮発性メモリにも保存可能とし、そのオーバヘッドは十分低いことを確認した。 また、冗長計算を階層的に省略するための結果のやり取りを、後で必要と判断されるまで遅延するための機構について、その仕様を明確として信頼性を高める研究を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
通信層・データ管理層への適用、ワーカ番号のない環境などへの手法の応用で遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
通信層・データ管理層への適用、ワーカ番号のない環境などへの手法の応用を進める一方で、本手法の利用効率を改善するための計算の「再編」手法に取り組む。
|