研究課題/領域番号 |
21K19775
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
會田 雅樹 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (60404935)
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研究分担者 |
橋爪 絢子 法政大学, 社会学部, 准教授 (70634327)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 情報ネットワーク / 社会ネットワーク / フェイクニュース / SNS / 訂正情報 / 活性因子・抑制因子モデル / チューリングパターン / オンラインソーシャルネットワーク / ユーザダイナミクス / 誤情報 / 振動モデル / エコーチェンバー効果 / エコーチェンバー現象 |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットの普及によって多様な情報が容易に入手可能となっているが,皮肉なことに「自分の見たい情報しか見ない」という情報の分断が起こっており,その弊害は「エコーチェンバー現象」という形で顕在化している.これは,比較的狭い閉じたコミュニティにおいて,一般常識とはかけ離れた信念や思想が強く信じられて意見が強化されていく現象で,その影響は社会問題となっている.本研究は,閉鎖的なコミュニティが生み出すユーザの集団挙動を理解し,エコーチェンバー現象の対策技術の構築を目的とするものであり,数理モデルと社会学的な調査研究と組み合わせた体制で目的の達成に挑戦する
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研究成果の概要 |
SNSの普及によって多様な情報が容易に入手可能となっているが,皮肉にも「自分の見たい情報しか見ない」という情報の分断が起こっており,その影響によって社会の分断などの様々な社会問題が生まれている.これらの問題を解決するためには,ユーザの心理的な要因を踏まえたSNSの情報伝播の検討が必要である.本研究は,COVID-19の流行初期に起きた,トイレットペーパー不足に関するフェイクニュースにおいて,その訂正情報によって逆にトイレットペーパーの買い占めが加速してした事件を基に,正しい情報の発信が必ずしも良い結果に結びつく訳ではないという現象の構造的な理解を目指した検討を行い,効果的な対策技術を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェイクニュースの効果的な対策は,訂正情報を発信することだと考えがちであるが,場合によってはこの行動がフェイクニュースの影響を悪化させてしまう可能性がある.本研究はこのような現象を,ユーザの心理的な影響も含めて数学的にモデル化し,理論的に説明することに成功した.これにより,訂正情報が期待通りにフェイクニュースの影響を緩和する方向で働くための条件を導いた.この結果は,フェイクニュースの対策技術考えるための学術的な基盤を与えるとともに,効果的な対策技術を設計する社会応用としての意義がある.
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