研究課題/領域番号 |
21K19779
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋本 悠希 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10601883)
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研究分担者 |
川崎 真弘 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40513370)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 香り / 知覚閾値 / 生理的指標 / 嗅覚 / ディスプレイ / 機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,好みに左右されず必要な香りの効果を享受可能とするため,香りを知覚させず機能のみを得る手法に取り組む.具体的には,嗅覚における反応時間限界値以下の時間,知覚閾値以下となる最大濃度の香りを出力し,それを疲労・順応を起こさない時間間隔で繰り返す.知覚に上ることが無いため,濃度を高く保ち神経を強く刺激できる.これを適切な時間間隔で出力することで,香りの効果を継続あるいは強化することを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究期間では,時間軸に対する知覚閾値以下の香り提示を行うことを目指し,まず,ミリ秒単位で香料射出時間を制御可能な香料提示装置の設計・実装を行った.その結果,1ms当たりの射出量がμgレベルの精度で調整できる高精度・高応答な香料提示装置を実装した.次に,香りを知覚しないにも関わらず香りの効果が生じる香料提示時間が存在するかどうかを検証した.その結果,1000msまでの提示時間において,知覚には上らないが,生理的指標に変化が見られる条件が存在することが示唆された.この結果から,香りが持つ機能的側面のみをユーザに提供可能な嗅覚提示手法の実現可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
短時間での香料提示によって,知覚させずに香りの効果を付与するという手法を,世界で初めて提案し,その実現可能性を示唆することができた.香りは日常生活の中で常に存在し,我々の心身に様々な効果を与えることができる.しかしながら,香気の嗜好は人によって大きく異なり,空間に拡散しやすい香りの利用状況は限られてきた.本研究成果である少量,短時間の香り提示は,空間に香りが拡散することを抑え,同一空間に多数の人がいる場合でも個別に香りの効果を提示可能にする.本研究によって香りの利便性・汎用性が劇的に向上することから,ヘルスケアやトレーニングなど幅広い分野の発展に大きく貢献することが期待できる.
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