研究課題/領域番号 |
21K19781
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船水 章大 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (20724397)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 身体運動 / 深層学習 / マウス / 機械学習 / 強化学習 / 行動実験 / 神経活動計測 |
研究開始時の研究の概要 |
ロボットが行動を学習する理論として強化学習がある.中脳ドーパミン細胞による強化学習の実装が発見されて以来,脳の意思決定研究は,神経細胞と強化学習の関係を調べてきた.しかし,強化学習は,動物の行動選択を100%説明できるわけではない.本研究は,脳の意思決定モデルの再構築に向けて,深層学習で,マウスの行動選択を予測する.情報学的手法と,マウスの神経活動計測を組み合わせて,脳の意思決定の新因子同定を目指す.
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研究実績の概要 |
1997年に中脳ドーパミン細胞による強化学習(報酬予測誤差)実装が発見されて以来,脳の意思決定研究は,神経細胞と強化学習の関係を調べてきた.しかし,強化学習は,動物の行動選択を100%説明できるわけではない.本研究は,脳の意思決定モデルの再構築に向けて,深層学習で,マウスの行動選択を予測する.情報学的手法と,マウスの神経活動計測を組み合わせて,脳の意思決定の新因子同定を目指す. 意思決定の新因子同定に向けて,本年度は,前年度に構築した行動実験系で,マウスの身体運動データを計測した.この行動実験系では,カメラを4台から5台に増設し,前後左右から (前方3台,後方2台),マウスの身体運動を140 Hzのサンプリングレートで計測した.なお,複数のカメラで,異なる位置から身体運動を計測し,マウスの身体運動の3次元軌道を取得した.行動課題中の4匹以上のマウスで,データを計測した.また,身体運動計測と同時に,マウスの神経活動を電気生理学的に計測した.意思決定の因子同定に向けて,必須なデータの取得が完了した. 身体運動データの解析では,前年度と同様に,DeepLabCutで,マウスの主要な身体部位の軌道を抽出した.また,身体運動軌道と神経活動の同期を取り,解析用データセットを作成した.今後,深層学習や線形回帰,スパース性を持つラッソ回帰といった機械学習で,マウスの選択行動の100%予測を目指す.また,深層学習の素子の挙動から,行動選択に重要な非線形神経回路網を予測・モデル化し,マウスの実際の神経活動と対応付ける.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に構築した実験系で,4匹のマウスで,身体運動と神経活動の同時計測に成功した.データは取得したが,深層学習を用いた情報学的解析が遅れている.今後,深層学習で,マウスの行動選択を予測し,行動を司る神経回路網をモデル化する.また,同回路網の素子の挙動を解析し,意思決定の新因子同定を目指す.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに計測した身体運動と神経活動データの解析を始める.特に,深層学習で,マウスの行動選択を過去の時系列データから予測する.この深層学習モデルの予測精度を,従来の強化学習の精度と比較する.また,深層学習の素子の挙動と,マウスの実際の神経活動を比較し,意思決定の新因子同定に繋げる.
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