研究課題/領域番号 |
21K19783
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧野 泰才 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00518714)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 触覚情報処理 / 舌 / 知覚特性 / 空中超音波 / 振動知覚 / 食テクノロジー / 触知覚特性 / 嗅覚ディスプレイ / 食体験拡張 / 遠隔霧化 |
研究開始時の研究の概要 |
食は我々の生活の中で大きなウェイトを占めます.しかし,糖尿病や高血圧のように,食事の糖分や塩分量を抑える必要のある人も多く,このような味気ない食事に対する解決手段として「食+テクノロジー」に大きな注目が集まっています. 本研究では,空中集束超音波を用いると遠隔から液体を霧化させられるという現象を利用し,霧化した液体の匂いや味を強く感じさせるという食体験拡張システムの実現を目的とします.調味液を口腔内で瞬間的に霧化し,その表面積を広げることで,その味や匂いを増強して感じさせられると考えています.各種液体の霧化の条件を検証するとともに,知覚としてどのように変化するかを調べ,実応用に繋げます.
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研究成果の概要 |
本研究課題は,空中超音波の焦点により微小液滴が瞬時に霧化する現象を利用し,口腔近傍で調味液を霧化させ味を強調するなど,食体験の拡張を目的として始めた研究である.しかし研究が進むにつれ,霧化された調味液において,匂いについては強調可能であるものの,味については増強されにくいことが確かめられた. そこで研究期間の後半は,舌への超音波触覚刺激による食体験の拡張にフォーカスを変え,その中で特に,舌の振動触覚に対する知覚感度を計測することとした.その結果,手指で特徴的に見られる,100-200Hz付近での知覚感度の上昇が生じないことが確認できた.このような知見は,舌への触覚刺激時に有用である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
舌の触覚的な知覚特性は,これまであまり知られていなかった.これは振動子など接触する刺激では衛生面などでの対応が煩雑となる点が影響していたと考えられる.超音波を利用した触覚刺激では,舌を拘束することなく,また衛生面を気にすることなく触覚を提示できる.同じセットアップで手指にも刺激を提示できるため,感度の比較も容易であり,そのために200Hz付近の特徴的な感度カーブが表出しないことを確認できた. 超高齢社会を迎え,安全に嚥下することは重要な課題の一つである.舌のトレーニングにより筋肉を鍛えるような先行研究があるため,そのような目的での触覚フィードバックにおいて,今回の知見は非常に有用である.
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