研究課題/領域番号 |
21K19787
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 (2022) 東京工業大学 (2021) |
研究代表者 |
野澤 孝之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (60370110)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 個人間同調 / ハイパースキャニング / フィードバック / 社会的インタラクション / コミュニケーション支援 / ニューロフィードバック / 個人間脳同調 / 創造的コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
複数人の脳活動を同時計測するハイパースキャニング研究で,当事者間での脳活動の同調やそのダイナミクスが,様々なインタラクションのアウトカムと相関することが示され始めている.相関を越えた,個人間脳同調の因果的役割の理解に向けて,本研究ではインタラクション時の脳同調を当事者たちにフィードバックしその制御を学ばせる「ハイパーニューロフィードバック」を開発し,脳同調の制御が協力課題や集団創造的課題のパフォーマンスに及ぼす効果を検証する.より根源的には,個人への還元主義的視点を越えた「われわれ」という主体を定量的に確立するとともに,人が持つ共感や協力の能力をより拡張する可能性に向けたチャレンジである.
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研究実績の概要 |
複数人の脳・生理・コミュニケーション活動を同時計測する研究で,当事者間での活動同調やそのダイナミクスが,インタラクションの様々な質の指標と相関することが示され始めている.相関を越えた,個人間同調の因果的役割の理解に向けて,本研究ではインタラクション時の脳・生理同調を当事者たちにフィードバックする「ハイパーニューロフィードバック」を開発し,同調の制御がインタラクションの質に及ぼす効果を検証することを狙う. 計画2年目の本年度は,リアルタイムに評価が可能な脳・生理活動の同調評価と,そのフィードバック手法の検討・開発を更に進めた.脳波EEGのハイパースキャニングとフィードバックを実装するソフトウェアライブラリをベースに,これを近赤外分光イメージングfNIRSハイパースキャニングにも応用できるよう拡張した.また,コミュニケーションやインタラクションの形態に応じて邪魔にならない有効なフィードバックの形態について検討した. また,初年度に続き,新型コロナウイルス感染症の影響で人同士の接触の度合いが大きい脳機能計測をともなう実験が困難だったため,遠隔コミュニケーションへの拡張や,接触を抑えやすい生理・コミュニケーション活動計測を優先して,その個人間同調の評価・リアルタイムフィードバックを設計し,実験を行った.生理・コミュニケーション活動のリアルタイムフィードバックによる共有が,当事者間での協力や共感を促進することを示す結果が得られている. コミュニケーション活動としてセンシングできる表情と相互注視の同調が協力関係を促進する効果等について,国際会議で発表した.また,マルチモーダル同調評価によるインタラクションの評価およびそのフィードバックによるインタラクション支援等について,国内学会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により,人との接触が制限されたため,対面実験の実施が困難な状況が続いた.とくに,接触機会と所用時間の大きい脳機能計測をともなう実験への参加協力者が限定された.そのため実施内容を柔軟に変更し,システム開発と,接触を抑えやすい生理・コミュニケーション活動の同調評価およびフィードバックについての実験を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響も落ち着いてきたので,引き続き動向を見極め,参加者の健康を第一に安全の確保に充分配慮しつつ,対面実験の実施を本格化する.遠隔コミュニケーションやマルチモーダル同調への拡張も拡張し,脳・生理・コミュニケーション活動のモダリティに応じた同調評価およびフィードバック手法について,有効性評価と改良を進める.
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