研究課題/領域番号 |
21K19826
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小串 典子 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任助教(常勤) (90565772)
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研究分担者 |
島田 尚 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90431791)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | Wikipedia / 複雑ネットワーク / 再帰的指標 / モデル / 協同的編集 / self-consistent metrics / 再帰的重要性指標 |
研究開始時の研究の概要 |
自由参加・自由編集のポリシーに従って運営される Wikipedia では記事の信頼性は不確かである。しかし実際にはWikipediaは一定の信頼性を実現していることも知られている。Wikipedia のような系が成功するメカニズムを理解するには、参加者とコンテンツの価値の正しい評価が最も重要である。申請者は編集関係に基づく編集者と記事の再帰的重要性指標を提案、実際にこの指標がWikipediaで良い記事の指標になっていることを示した。本研究では Wikipedia 記事に紐付けされているカテゴリーに着目し、提案している再帰的重要性指標を基に Wikipedia の記事体系を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Wikipediaにおいて記事と編集者が自己組織的につくる編集関係の基本的特徴とそのメカニズムの理解を目指し、研究を行なった。まず、編集関係全体を通して自己無撞着に決まる記事と編集者の価値や性質の再帰的指標を提案し、実際に提案指標が記事の本質的な「良さ」の指標として機能することを確認、Wikipediaには多様な記事や編集者が存在することを明らかにした。次に、提案指標が仮定した編集者の内在的性質に基づき編集活動のモデルを提案し、このモデルが実際の観測事実に一致する基本的なネットワーク構造や観測量の特徴を再現すること、編集者や記事の内在的性質と観測量が期待する相関関係を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Wikipediaを用いて、自由参加の編集者の活動と記事を評価する再帰的指標を提案し、さらに、データ解析とモデル研究から、Wikipediaにおける編集者は保守・整備的な編集傾向と記事の中身への加筆傾向という異なる多様な編集傾向を持つことを明らかにした。Wikipediaは昨今の集合知の典型例の一つであり、本研究は、こうした自己組織的に成長する集合知や現実の大規模複雑ネットワークの理解の一助となるものである。
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