研究課題/領域番号 |
21K19828
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40273396)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 血糖値予測 / 食事摂取量推薦 / 高血糖抑制 / ナッジ / 血糖値推定 / 機械学習 / IoTナッジ / 行動変容 / AR / 食行動認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、食後高血糖を回避することを目的に、摂ろうとしている食事により血糖値がどれだけ上昇するかを事前に予測する手法と、配膳されている各食品に対して、(どの程度)食べて良いかをARにより表示する手法、さらに、ナッジにより血糖値が上がりにくい食べ方を誘発する手法を開発する。2年の研究期間の間に、(A) データ収集部、(B) データ分析部、(C)フィードバック部からなるシステムの構築と、(D) 複数被験者を対象としたデータ収集および実証実験を行い、提案手法の有効性を示す。
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研究実績の概要 |
本研究では、血糖値の時系列データと食事の情報から、個人ごとの血糖値予測モデルを構築し、摂ろうとしている食事により血糖値がどれだけ上昇するかを事前に予測する手法を開発すること、また、高血糖状態を避ける食行動の行動変容手法として、配膳されている各食品に対して、(どの程度)食べて良いかを、AR(拡張現実感)により重畳して表示する手法、食べる速度をセンシングし、ナッジにより血糖値が上がりにくい食べ方を誘発する手法を設計しその有効性を調査することを目的としている。上記を実現するため、(1) 画像からの食事種類・量の推定、(2) 血糖値の推定モデルの構築、(3) 行動変容に向けた食品・量の推薦手法、(4) ARを使ったアプリケーション、(5) 箸型IoTデバイスによる食行動の詳細なセンシング、(6) IoTナッジ、の6研究開発項目を実施し、実証実験により有効性を示すことを目標に研究を進めている。 2022年度までに、摂取予定の食事から血糖値の上昇を事前に予測し,ナッジを用いて摂取量を減らすべき食品をフィードバックする高血糖抑制支援システムを設計・開発した。2 時間後の血糖値を予測する血糖値予測モデルを構築するため、被験者 10 名から、血糖値の時系列データと血糖値に影響があるとされるデータ(食事情報、睡眠情報,被験者の身体情報)を収集した。血糖値予測モデルの評価を行った結果、最も精度の高い被験者においてRMSE(二乗平均平方根誤差)は 7.66、MAE(平均絶対誤差)は 4.66 となることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたシステムの設計開発が完了している。また、血糖値推定モデルや、食事摂取量を推薦するモバイルアプリケーションの開発・評価も完了している。2022年度までに得られた成果は、電子情報通信学会SeMI研究会で発表し、優秀発表賞に選ばれた。また、国際会議IEEE EMBC2023に投稿した論文が採択され、2023年7月に発表することが決まっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的は概ね達成できているが、今後、開発したシステムを改善し、20名程度の一般被験者を対象に実験を行い、提案手法・システムの有用性をより高めていく。また、得られた結果をまとめて、IEEE Transactions on Biomedical Engineeringなどの国際論文誌に発表することを目指す。
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