研究課題/領域番号 |
21K19831
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
木賀 大介 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30376587)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 遺伝暗号 / 合成生物学 / 進化 / 祖先配列 / 系統樹 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、限定されたアミノ酸種しか使えなかった生命の共通祖先以前のタンパク質について、その配列の情報学的な推定と生化学的な解析を行う。推定されたタンパク質はアミノ酸種を限定したまま試験管内で再進化させる。その結果として、生命が遺伝暗号システムにアミノ酸をとりこんでいった順番に対する、新たな考察を提供する。さらに、アミノ酸の種類を限定することは、工学的には弱点を持たせない、という意義がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、生命の共通祖先以前のアミノ酸セットで機能するタンパク質について、祖先タンパク質の配列を情報学的手法で推定し、また、このようなタンパク質を生物実験で評価した。古典的な祖先配列推定法と、残基間相互作用を考慮した変分オートエンコーダーを組み合わせることで、より活性の高い祖先配列を特定することが可能であることが示された。さらに、16種のアミノ酸で構成されたタンパク質の進化を模倣する実験も行い、新しい活性を持つ変異体を得る可能性を示した。この研究は、タンパク質の起源を理解するための新たな情報科学的手法の導入だけでなく、産業応用可能なタンパク質を創出する基盤ともなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究の学術的意義は、進化の初期段階でのタンパク質の機能形成を解明することにある。従来の祖先配列推定法の限界を超え、新たな情報科学的手法を導入することで、生命の起源に関する理論を進展させた。また、機械学習を生命起源研究に応用することで、共通祖先の壁を越えて、進化の過程でどのようにしてタンパク質の活性が向上していったかを理解する新たな視点を提供した。社会的には、これらの知見は医学や生物工学の分野において、より効率的で安全なタンパク質設計や新薬の開発に貢献する可能性が高い。
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