研究課題/領域番号 |
21K19836
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
宮崎 航 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (90512278)
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研究分担者 |
下川 哲昭 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90235680)
中西 剛 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50303988)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | エクソソーム / 細胞外小胞 / 環境化学物質 / miRNA / PFOA / PFOS / 肝臓 / 胎盤 / リキッドバイオプシー / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は細胞間伝達経路のひとつである細胞外小胞のエクソソームに着目し、環境化学物質曝露を受けた細胞・臓器において産生された異常なエクソソームが他臓器へ影響をおよぼすという新たな毒性発現メカニズムを解明するものである。 最終的に、本研究の成果は、環境化学物質曝露により産生される異常エクソソームによる毒性発現メカニズムの解明を通じ、新たな毒性評価・予測・予防・抑制法の開発につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
細胞外小胞(EVs)のエクソソームは、恒常性の維持や周産期の児の発達などに不可欠である。ドナー細胞から産生・放出されたエクソソームは、内包するmiRNAやタンパクを標的細胞に移送し、機能変化を引き起こす。申請者は、環境化学物質曝露により異常なEVsが産生され、血液などの体液を介して他臓器に移行し、影響をもたらす可能性があると考え、特に肝臓ならびに胎盤を標的臓器として、環境化学物質曝露による異常なエクソソームの影響について解析を行った。その結果、環境化学物質の曝露は異常なエクソソームの産生・分泌を促進し、様々な毒性影響をもたらすという、新たな毒性発現経路の存在を示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、環境化学物質の毒性発現が直接的な作用のみならず、環境化学物質による細胞外小胞を介する経路のかく乱により間接的に細胞・臓器に影響がもたらされるという、新たな毒性発現メカニズムが存在することを示した。これは、環境化学物質曝露によって産生されたエクソソームの解析により、毒性の発現する細胞の評価と予測が可能となることに繋がる。さらに、エクソソームは母子間を移行することが知られていることから、子の発達における母子間のエクソソームのやり取りが互いの身体発達・機能維持に関わることの解明、そして、これまでに説明のつかなかった環境化学物質の曝露影響を解明する上で意義のある研究となった。
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