研究課題/領域番号 |
21K19837
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
外山 喬士 東北大学, 薬学研究科, 講師 (50720918)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | セレノプロテインP / メチル水銀 / リソソーム / ApoER2 / 還元 / 超硫黄 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、リソソームを主軸とし、今まで不明であったSePの還元酵素活性の意義の解明、および、メチル水銀によるSePのSe-水銀化を介した毒性発現機構の解明、を目指すものである。SePは肝臓で合成されて脳などの各臓器にセレンを輸送する単なる輸送体であると認識されていたため、本申請研究で上記を明らかにすることで、SePは肝ー脳連関によるリソソーム活性制御に関わる全く新しい実行因子であり、かつ、メチル水銀による神経障害には肝ー脳連関の阻害が関わるという、2つの新事実が解明されるだろう。
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研究成果の概要 |
本研究では、セレノプロテインP (SeP) によるリソソーム活性上昇とメチル水銀による撹乱作用について、その機構解析を進めた。まず、培養細胞 SHSY-5Y細胞に精製SePを添加するとリソソーム酸性度の増加が認められた。リソソーム内超硫黄はその活性を抑制的に調節する因子であり、SePがその還元を担当することで、リソソーム活性調節に寄与していることを新たに見出した。また、メチル水銀はリソソームの酸性度にほとんど影響を与えなかったが、SePはメチル水銀の毒性を細胞内の動態と蓄積する箇所を大きく変え、これが毒性の変化につながることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内シグナル伝達や飢餓応答、またある種のがん細胞などにおいてリソソームが活性化することはよく知られており、免疫細胞では感染症に対するフロンティアになることも知られている。一方、このリソソームが、細胞外から取り込まれた因子によって活性調節されることはほとんど知られておらず、学術的新規性が非常に高い。 更に、酸性条件という過酷な細胞内環境においてのレドック調節機構はほとんど理解されていないが、セレノシステインを有する酵素が、その調節因子であることを示しており、リソソームに起因する病態を改善する創薬のヒントになると考えられる。
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