研究課題/領域番号 |
21K19838
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大江 知行 東北大学, 薬学研究科, 教授 (10203712)
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研究分担者 |
李 宣和 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (60519776)
幡川 祐資 東北大学, 薬学研究科, 助教 (30878351)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | エクスポゾーム / ケラチン / エクスポソーム / 化学修飾 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
表皮は生体の防護壁として外部刺激に直接かつ恒常的に暴露されており、その角質層の構成タンパク質『ケラチン』は、『exposome』の経時的・短期的な記録媒体として以下の可能性と有用性を有する。 ①多様な化学修飾を受ける(UVによる酸化修飾、親電子化合物による化学修飾など)。②環境中の揮発性有機化合物を保持できる(薬物と同様、経皮吸収する)。③暴露の経時変化を追える(角質層は10層程度、ターンオーバーが1か月程度と、暴露時期を特定可)。④非侵襲的かつ容易に採取できる(テープストリッピング法など)。 それ故、表皮ケラチン上の化学修飾・保持物質の解析基盤の構築は、新規exposome解析に、極めて有用である。
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研究成果の概要 |
表皮タンパク質ケラチンを、外部刺激(UV、環境化学物質)の暴露の記録媒体としての利用を試みた。その結果、ケラチン上の化学修飾解析法の確立によりUV照射や化学物質暴露による変動を確認できた。一方、表皮上の低分子の解析は、大量に存在する内因性脂質の変動は見られたものの、表皮に保持された低濃度の外因性低分子の解析は困難であった。しかしながら4-bromophenylhydrazineによる揮発性アルデヒド類の誘導体化と特徴的な同位体パターンを用いたスクリーニング系、更には表皮に存在する求核性ペプチドGHK付加体としての検出系の可能性を確認でき、今後の展開が期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、表皮ケラチンの「多様な化学修飾を受ける」、「疎水性低分子を保持できる」、「短周期で置き換わる」、「非侵襲的に採取できる」特徴を生かし、外部刺激の暴露の記録媒体としての利用を試みたものである。今回の成果である「ケラチンの化学修飾解析法の構築」と「表皮上の低分子化合物の検出系開発」は、環境中の化学物質の暴露量を、環境濃度のみならず、個々人の暴露状況(暴露時間・濃度)などを評価できる可能性を示したものであり、『エクスポゾーム』の方法論として意義がある。
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