研究課題/領域番号 |
21K19851
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
柿沼 志津子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, 研究員 (20392219)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | Flow-Fish法 / 染色体 / 欠失 / Flow-FISH法 / 1細胞レベル解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、放射線誘発白血病マウスモデルの解析で明らかになった特徴的な異常を分子指標に、1細胞レベルの情報を測定できるFlow Cytometry法と、染色体の欠失が検出可能な蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を組み合わせたFlow-FISH法の開発に挑戦する。Flow-FISH法が開発できれば、低レベルの放射線被ばくによるがんリスクを直接的に評価する手法や発がんメカニズム解明のブレークスルーに繋がるだけでなく、がんを始めとする染色体異常を伴う疾病の早期発見や診断、治療効果の予測法の開発が実現する。
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研究実績の概要 |
原爆被爆者や医療放射線に被ばくした集団の疫学調査から、被ばくした量に比例してがんのリスクが上昇することが示されている。低レベルの放射線被ばくによる発がんリスクは、自然発症と放射線被ばくによるがんを区別できないため、正確に評価することは困難である。 本研究では、放射線誘発白血病マウスモデルの解析で明らかになった特徴的な異常を分子指標に、1細胞レベルの情報を測定できるFlow Cytometry法と、染色体の欠失が検出可能な蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を組み合わせたFlow-FISH法の開発に挑戦する。Flow-FISH法が開発できれば、低レベルの放射線被ばくによるがんリスクを直接的に評価する手法や発がんメカニズム解明のブレークスルーに繋がるだけでなく、がんを始めとする染色体異常を伴う疾病の早期発見や診断、治療効果の予測法の開発が実現する。 R4年度は、FISHプローブ作成及びFISHの効率を高めるための条件検討を行った。サンプルは、放射線照射により4番染色体のPax5領域に欠失を持つBリンパ腫を発生するマウス(論文発表)を用い、若齢期(7週齢)に放射線(γ線、4 Gy)を照射後6から12ヶ月後、またはコントロール用に同週齢の非照射マウスから、血漿、骨髄およびリンパ組織を採取し、分離試薬によりリンパ球細胞を単離保存したものを使用した。Pax5-BACプローブと4番染色体ペインティングプローブを用いて蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を行い、4番染色体のPax5を含む領域の転座や欠失を確認した。また、CRISPR-dCas9 FISHによるプローブ作成の検討を開始した。一方、Flow cytometryの条件については、まだ十分目的を達成していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FISHプローブ作成とFISHの条件が確立し、保存サンプルにおいて転座や欠失などを確認出来るようになった。また、新たにCRISPR-dCas9 FISHによるプローブ作成も検討も開始した。 一方、プローブ結合後のFlow Cytometryのための細胞処理条件が確立できていない点が、やや遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は、昨年度確立した染色体のFISHの効率を更に高める検討を引き続き行う。また、新たにCRISPR-dCas9 FISHによる蛍光標識の検討を継続する。 蛍光標識後の細胞が、Flowcytometerで解析可能な細胞処理の条件の検討を継続する。
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