研究課題/領域番号 |
21K19859
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
椿 俊太郎 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90595878)
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研究分担者 |
山田 秀尚 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 准教授 (60446408)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | マイクロ波 / 周波数制御 / アミン吸収材 / CO2回収 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、CO2を豊富に含むリッチ吸収剤に対し、最適な周波数のマイクロ波をアミン選択的に印加して局所的な高温状態を誘起し、CO2の脱離を促進する。周波数を精密に制御したマイクロ波装置を開発し、本装置によりCO2を含むリッチ吸収剤を高選択的に作用する最適周波数のマイクロ波を照射し、リッチ吸収剤を局所的に加熱する。反応に最適な周波数のマイクロ波を照射することにより、これまでにない低消費電力なマイクロ波化学プロセスが実現できると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、マイクロ波によりCO2を含むリッチ吸収剤を高選択的かつ局所的に加熱し、CO2の脱離促進を図ることを目的とし、(1) マイクロ波によるリッチ吸収剤の脱離促進の分子機構の解明、(2) CO2吸収性とマイクロ波応答性に優れたCO2吸収剤設計、(3) 二酸化炭素吸収剤に高密度なマイクロ波を印加するマイクロ波化学反応装置の開発の3項目を進めている。2年目となる2022年度は、下記の項目ついて具体的に取り組んだ。 (1)CO2吸収剤設計:前年度、量子化学計算等を用いて、誘電特性に優れたアミン系吸収剤の分子設計を進めた。これに基づいて、複数の候補アミン吸収液試料を取り上げ、系統的にマイクロ波応答性アミン吸収液を探索した。また、該当するアミン吸収液について、同軸プローブ法を用いて複素複素誘電率を測定した。水ーアミン吸収液の比率などに応じた、マイクロ波吸収特性、および、その周波数依存性を明らかにした。 (2)マイクロ波化学反応装置の開発:アミン吸収液のマイクロ波吸収能が高まる低い周波数帯域(高周波)の空洞共振器を開発した。既開発の誘電加熱型(平行平板型)や通電加熱型の高周波装置も含めて、最適な高周波照射系を探索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に、研究代表者および研究分担者がそれぞれ異なる研究機関に異動したため、研究環境の整備のため研究進捗に遅れが生じ、これにより2022年度の進捗にも遅れが生じている。そのため、研究期間を1年間延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
(1) CO2吸収性とマイクロ波応答性に優れたCO2吸収剤設計:2021-2022年度に探索した候補物質を用い、最適なマイクロ波吸収特性のアミン吸収液濃度に調製しつつ、最適マイクロ波周波数の印加によって、CO2吸収性とマイクロ波応答性を最適化する。 (2) 二酸化炭素吸収剤に高密度なマイクロ波を印加するマイクロ波化学反応装置の開発:前年度までに開発した誘電加熱型・通電加熱型高周波化学反応装置を用いて、(1)のアミン吸収液を用いたCO2脱離反応を検討する。 (3) マイクロ波によるリッチ吸収剤の脱離促進の分子機構の解明:2021年度に確立したin situラマンを用いて、マイクロ波によるアミン吸収液からのCO2脱離が加速する分子機構を明らかにする。具体的には、アミン分子の局所温度の実測により、分子選択的な加熱によるCO2脱離の加速を実証する。
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