研究課題/領域番号 |
21K19872
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
永井 大介 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (30375323)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | レアメタル / リチウムイオン二次電池 / 金属配位ポリマー / 酸化物生成反応 / コバルト / レアメタル回収 / マンガン / ニッケル / 分離 / ポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオン二次電池を構成し、化学的・物理的性質が類似して分離が困難なレアメタルに属されるコバルト・ニッケル・マンガンを同時に分離する手法を開発する。具体的には、コバルト・ニッケル・マンガンを吸着する3種類のポリマーを金属混合溶液に浸漬させ、各々の金属を吸着させた後、3種類のポリマーを溶液から取り除くことにより、同時にコバルト/マンガン/ニッケルを分離する手法を開発する。本研究を通して複数の金属を同時に分離する手法が開発できれば、これまで多くの工程を要していた金属精錬設備の縮小化によるコスト減および労働時間の短縮につながり社会的にも貢献度の高い研究であるといえる。
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研究成果の概要 |
酸化コバルトを核に持つポリマーをオレイン酸ナトリウム(界面活性剤)存在下、Co/Mn/Niのエチレングリコール/NaOH溶液に分散させ、200度で加熱し酸化物生成反応を行い核と同じ酸化コバルトの集積を試みた結果、コバルトを選択的に分離できることが明らかとなった(選択率=94 %)。次に、酸化ニッケルを核に持つポリマーをCo/Mn/Niのエチレングリコール/NaOH溶液に分散させ、200度で加熱し酸化物生成反応を行ったところ、優先的にNiを分離できることが確認された(62 %)。本研究を通して、核を中心とした結晶成長により、Coを選択的に分離できることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したCo/Mn/Ni混合溶液中でのCoの選択的分離法は、世界に普及が拡大している電気自動車用のバッテリーであるリチウムイオン二次電池(LiB)のリサイクルに大きく貢献できる重要な技術と成り得る。LiBの正極材に使用されているCo・Mn・Niはレアメタルであるが化学的・物理的性質が類似しているため、コストに見合う分離技術が確立されていない。本研究で開発した技術は海外(米国・中国・欧州)および国内の特許出願を済ませており、今後連携先企業と周辺特許を網羅的に出願することにより世界に普及する可能性が高い技術であるといえる。
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