研究課題/領域番号 |
21K19874
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中野 陽一 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (10325152)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 食品廃棄物処理 / 硫酸還元菌 / 硫化リチウム合成 / 硫化水素 / エネルギー回収プロセス / 全固体電池 / 硫化リチウム / 炭酸リチウム / 硫黄循環 |
研究開始時の研究の概要 |
硫黄循環を考慮に入れた食品廃棄物の処理およびエネルギー回収する新規性の高いシステムの構築を行うことである。分解菌に硫酸還元菌を用い、発生したバイオガスを分離して硫化水素から水酸化リチウムと反応させて、硫化リチウムを合成する。バイオガスは、電池材料として合成させることで食品廃棄物からエネルギーを回収する。 硫酸還元菌はメタン発酵生成菌よりも多様な有機物を利用することも知られている。したがって、多様な有機物に対する馴養性が高く適応範囲がメタン発酵法よりも広範囲になる新規性の高い嫌気性処理システムを構築できる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、硫酸還元菌を用いた食品廃棄物処理技術と硫化水素を利用した硫化リチウム合成によるエネルギー回収プロセスの開発である。宇部市の消化汚泥を種汚泥とし、微粉砕食品スラリーを原料とした。リアクター内で硫化水素と二酸化炭素を捕集し、模擬食品廃棄物を2日ごとに供給した。90% H2Sガスおよび30% H2Sと70% N2の混合ガスで硫化リチウムの合成を確認したが、未反応物も検出された。硫化水素濃度は目標の30%に達していないが、10%の濃度は高いと考えられる。今後、反応ガス量の増加と反応時間の延長が必要である。今年度は昨年度の7%から11%の硫化水素濃度を達成し、低温合成が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、食品廃棄物を環境負荷を軽減し、エネルギーを回収する技術の開発である。硫酸還元菌を使い、食品廃棄物を分解し、発生する硫化水素で硫化リチウムを合成するプロセスを開発した。実験では消化汚泥と粉砕食品廃棄物を使用し、硫化水素濃度を10%まで高めることに成功した。90% H2Sガスと30% H2Sと70% N2の混合ガスで硫化リチウムの合成を確認したが、未反応物も検出された。学術的意義は、廃棄物処理とエネルギー回収の新技術の確立であり、社会的意義は、食品廃棄物の減少と資源の有効活用により、環境負荷低減と持続可能な社会に貢献する点である。
|