研究課題/領域番号 |
21K19888
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安楽 泰孝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (60581585)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 薬剤送達システム / 血液脳関門 / mRNA / 高分子ミセル / 静電相互作用 / 高分子 / 脳機能再生 / 脳由来神経栄養因子 / 脳 / 神経栄養因子 / 脳機能の再生 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)等の中枢神経系(CNS)疾患の治療において、神経細胞の突起進展やシナプス形成を促進する脳由来神経栄養因子(BDNF)を用いた「脳機能の再生」が注目を集めている。本課題では「精密設計したBBB通過型高分子ミセル技術に基づいて、①生体内安定性が低いmRNAを全身投与で脳内に送り届け、②神経細胞内で大量のBDNFを持続的に産生させることで、脳機能の再生に基づく革新的AD治療法を確立すること」を目的とする。
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研究成果の概要 |
脳由来神経栄養因子を用いた脳機能の再生は、難治性の中枢神経系(CNS)疾患の治療において注目されている。一方で十分量のタンパク質を全身投与により脳内に送達するには、血液脳関門(BBB)と呼ばれる脳内への物質輸送を著しく制限する生体内バリアの通過が必要不可欠となり、未だにチャレンジングな課題である。本研究課題では、研究者らが開発した効率的にBBBを通過する機能を有する高分子ミセルを応用し、「生体内安定性の著しく低いmRNAを全身投与で生体内の局所に送り届け、大量のタンパク質を持続的に産生させること」に成功した。本成果は、脳機能の再生に基づくCNS治療法という全く新しい治療法への展開が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有効な治療法が未確立である脳神経系変性疾患に対して、脳内で所望のタンパク質を産生することによる分子治療という抜本的解決策を提供するものであり極めて大きな意義を有している。これらの方法論は、CNS疾患に留まらずアミノ酸代謝異常など広範な疾患治療に大きく貢献することが確信される。また高分子/材料設計の観点からは、生体適合性・標的指向性・環境応答性という異なる機能を空間的に制御された形で構造内部に配置する仕掛けを創り込むなど、独創性に秀でた生体材料設計プロセスを当該分野にもたらす意義を有している。
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