研究課題/領域番号 |
21K19890
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川下 将一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70314234)
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研究分担者 |
横井 太史 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (00706781)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 水酸アパタイト / 血清タンパク質 / プロテオーム解析 / 結晶配向性 / 吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
水酸アパタイトは骨欠損部に埋入されると周囲の骨と結合する。この水酸アパタイトの骨結合性は1970年代後半に見出されたが、水酸アパタイトの分子レベルでの骨結合性発現機構は未だに不明である。本研究では、「水酸アパタイトのa面とc面の間で吸着タンパク質の種類・量・機能に違いがあり、それが水酸アパタイトの骨結合性の発現に寄与する」との仮説をプロテオーム解析によって検討し、最終的には水酸アパタイトの骨結合性発現機構をその結晶構造とタンパク質吸着の観点から解明する。
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研究成果の概要 |
m面を多く露出した水酸アパタイト粉末(m-HAp)、c面を多く露出した水酸アパタイト粉末(c-HAp)および配向性を制御していない水酸アパタイト粉末(i-HAp)には、それぞれ38種類、33種類、24種類の血清タンパク質が吸着した。また、ビタミンD結合タンパク質、トランスサイレチン、リアノジン受容体2、アポリポタンパク質E、ケラチンの5種類のタンパク質が骨伝導性に関与する可能性が見出された。さらに、PANTHERによる代謝経路解析やGene Ontologyによる細胞構成要素分類においても、m-HAp、c-HApおよびi-HApの間には違いがあることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水酸アパタイトの骨結合性発現機構に関する従来研究の多くは細胞レベルでの検討・議論であり、本研究のように原子(結晶構造)・分子(タンパク質)レベルから水酸アパタイトの骨結合機構の解明に挑む研究はほぼ皆無である。今後検討すべき課題は数多いが、水酸アパタイトの骨結合性発現に関与するタンパク質候補として5種類のタンパク質が見出された点において、本研究を遂行した学術的・社会的意義は十分にある。また、本研究の成果は、生体-バイオマテリアルの界面科学に重要な知見を与え、生体材料学・プロテオミクス・医歯学の異分野融合型学問領域の創出に寄与する可能性がある。
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