研究課題/領域番号 |
21K19896
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
村越 道生 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (70570901)
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研究分担者 |
杉本 寿史 金沢大学, 医学系, 准教授 (20547179)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 頭蓋内圧 / ICP / 非侵襲計測 / 音響インピーダンス / 外耳道 |
研究開始時の研究の概要 |
頭蓋内圧(ICP)は通常10 mmHg前後に保たれているが,脳外傷や癌,脳脊髄液の循環不良は,この増大を引き起こし脳機能障害をもたらす.したがって常時監視・管理することが推奨されている.しかしその計測は,頭蓋骨直下に圧力センサーを直接埋め込むなどの極めて侵襲性の高い方法に限られている.そこで本研究では,音響ノイズを利用し,耳の穴(外耳道)を介したICPの非侵襲計測法を提案し,その原理検証とプロトタイプシステムの開発を試みる.
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研究実績の概要 |
頭蓋内圧(intracranial pressure: ICP)は通常10 mmHg 前後となる.脳内の出血や脳脊髄液の循環不良はICPの増大(亢進)を引き起こす.ICP亢進は脳機能障害に直結するため,常時監視・管理することが推奨される.しかしその計測は頭蓋骨や腰椎に直接挿入したカテーテルの他端に圧力ゲージ取り付けるといった侵襲性の高い方法に限られている.非侵襲的にICPを計測する技術の確立は急務である.本研究では,外耳道を介したICPの非侵襲計測法を提案し,その原理を検証するとともに,ベッドサイドで使用可能なラップトップ型原理検証機を開発することを目標とする. 本年度は,昨年度までの実績を基に,当初計画を越えて,ICP管理対象患者での計測を試みた.さらに,音刺激および音解析の精度を高めるため,高精度オーディオインターフェースを用いたシステムの構築に取り組み,実際の臨床での使用に向けたユーザーインターフェースの設計にも取り組んだ.開発した原理検証機を用いて,ICP管理対象患者(具体的には,くも膜下出血,重症頭部外傷,脳室内出血(水頭症)など)10名程度を目標として臨床研究に取り組んだ. その結果,PCとUSBケーブル1本で接続するだけで使用可能な原理検証機を開発し,ベッドサイドでの使用が可能なものとなった.本学脳神経外科と連携し必要な倫理審査申請を行った.しかし審査に半年を要したために,臨床研究が実施できたのは本年2月となった.症例数は1例(頭部腫瘍摘出患者)と目標には届かなかったものの,開発技術にるはじめての患者データ計測に成功した.このことは,本技術で患者ICP計測が可能であることを示唆するものである.今後は,この原理検証機を病院に1台専用に設置するなどして,継続して臨床データを積み上げ,その使用可能性の検証を進めていく計画である.
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