研究課題/領域番号 |
21K19906
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 癌 / ナノ医療 / ナノ粒子 / 蛍光 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、ごく最近、ダイヤモンドナノ粒子(ND)を高親水性高分子であるポリグリセロール(PG)で被覆し、蛍光剤(Cy7)で標識したND-PG-Cy7を合成し、これを担癌マウスに投与し、生体蛍光イメージングを行い、蛍光ナノ粒子が腫瘍に選択的に集積することを明らかにした。なぜ、このような現象が見られたかについて、実験的に明らかにすることにより、癌ナノ医療の本質を見極める。
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研究実績の概要 |
前年度の実施計画では、ダイヤモンドナノ粒子(ND)を高親水性高分子であるポリグリセロール(PG)で被覆し、蛍光剤(Cy7)で標識した ND-PG-Cy7、および、そのの類縁体を合成し、担癌マウスを用いた生体蛍光イメージングを行う、としていた。Cy7は、優れた蛍光材ではあるが、癌に対する治療効果は期待できないことから、癌光温熱療法と蛍光イメージングの両方に有効であるクロリンe6(Ce6)を Cy7 に代えてND-PG表面に固定化し、コアとなる ND が 30 nm サイズである ND-PG-Ce6 を合成し、赤外吸収スペクトルで構造確認を行なった。さらに、ND-PG-Ce6 を培養中の細胞(CT26)と共存させ、洗浄後に蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞からの蛍光が観察された。これは、ND-PG-Ce6 が癌細胞に取り込まれたことを示しており、一定の癌治療効果が期待される。 一方、現在、HeLa 細胞を増殖させ、これをヌードマウスに移植し、担癌マウスの作成を試みている。これが出来次第、京都大学放射性同位元素総合センター所有の生体蛍光イメージング装置(米国CaliperLS社製 IVIS Spectrumイメージングシステム Spectrum-FL-T5)を用いた生体蛍光イメージングと近赤外レーザー(波長: 690 nm)もしくは LED ライト(波長: 660 nm)を用いた癌治療について検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成からイメージング、治療まで一連の実験を一通り行うことができれば、あとはその繰り返しになるため、順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要の最後に記載した通り、まずは、担癌マウスを使った蛍光イメージングと光温熱療法による治療を行う。さらに、サイズの異なる ND-PG-Ce6 やコアとなるナノ粒子を ND から超磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)などに代えたものを用いて、同様の実験を行う。
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