研究課題/領域番号 |
21K19909
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
朝長 啓造 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (10301920)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ウイルスベクター / 幹細胞 / 遺伝子治療 / エピゲノム / ボルナウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスベクターによる遺伝子導入は細胞のエピゲノムに恒常的変容(エピゲノム摂動)をもたらす。この摂動は遺伝子治療の効果に大きく影響するが、これまでウイルスベクターによるエピゲノム摂動を詳細に検証した研究はない。本研究は、独自に開発した新規RNAウイルスベクターREVecによる遺伝子導入がもたらすエピゲノム摂動を明らかにし、遺伝子細胞治療ベクターとしての安全性につなげると同時に、ウイルスエピソーマルRNAによるエピジェネティクス制御というウイルスの新しいゲノム制御機構の探究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、ボルナ病ウイルスを基盤に開発したRNA型エピソーマルウイルスベクターREVecによるエピゲノム摂動を明らかにすることを目的に実施された。ウイルス由来エピソーマルRNAによるエピジェネティクス制御を探究するために、以下の2項目を実施した。1)REVec導入による幹細胞のエピゲノム摂動の解明。2) REVec エピゲノム摂動の幹細胞分化への影響の検証。1)では、REVecを導入した間葉系幹細胞を作製し、分化誘導と導入幹細胞の生化学的性状を解析した。2)では、REVec導入間葉系幹細胞の遺伝子発現変化をマイクロアレイにより解析し、未分化マーカーの発現やがん化に関する試験を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来遺伝子を発現するウイルスベクターを生体に導入するためには、その毒性を可能な限り排除しなくてはならない。しかしながら、これまでウイルスベクターによる細胞のエピジェネティックな変化(エピゲノム摂動)を「毒性」として捉え詳細に検証した研究はない。本研究では、遺伝子再生治療や再生医療に応用されている幹細胞をターゲットとして、ベクター導入におけるエピゲノム変化の探索を実施した。本研究の成果により、RNAウイルスベクター導入による幹細胞の分化と生化学性状が明らかとなり、エピゲノム変化との関連性が示唆された。今後の継続した解析によりウイルスベクター導入による影響の検証が可能となった。
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